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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
四世代、百年の物語『四人の交差点』。
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トンミ・キンヌネン 著 古市真由美 訳 新潮クレスト・ブックス

行ったことのない国の、会ったことのない人々を
近くに感じさせてくれる本に出会う幸せを味わいました。

舞台はフィンランド北東部の村。
そこに住む若い助産師マリアの章で始まり、
マリアが結婚せずに産んだ娘である写真技師ラハヤの章、
ラハヤの息子ヨハンネスの妻になったカーリナの章、
いろいろな秘密が明らかになるラハヤの夫オンニの章と続きます。


雪まじりの冷たい雨が降り込めていたり、
ストーブに薪を投げたり、
ジャガイモの皮をむいたり、
地下室にかまどをつくったり、
短い夏を水辺で過ごしたり、
そんな普通の一家のある一日だけが切り取られて
淡々と積み上がっていく構成です。

家庭内の些細な出来事、ちょっとしたやり取り、
その時の表情だけで、なんとたくさんのことが伝わってくることか。

デビュー作だということですが、
めちゃくちゃ小説が上手いです、トンミ。

とても印象的だったのは助産師マリア。
助産師として初めての出産に立ち会ったシーンと
200キロも離れた海辺の街で自転車を買い、
村まで上り坂を走ってくるシーン、
マリアのキャラクターがこの2つだけでリアルに立ち上がってきます。

一人で娘を育て、戦争をくぐり抜け、愛着のある家を焼かれ、
力強い祖母として家に君臨し、オンニの章で墓に埋葬されるまで
マリアはいつも闘って、たとえ負けても立ち上がる女です。

一方、その娘ラハヤは難しい女です。
家族と一緒にいても、いつも一人離れて存在しているような。
意図せず楽しい団欒に水をかけちゃう一言をつい言ってしまうような。
自分に似てる、と思えたのはマリアよりラハヤでした。

寒そうだし、色彩が薄そうだし、太陽があまり見られなさそうな
フィンランド。
でも、そこに生きている人々はやっぱり
悩んだり喜んだり迷ったり人を傷つけたり怒ったりしていて、
意外に心の奥の深いところに刺さった小説だったように思います。
読めてよかった〜。新潮クレスト、ありがとう!の一冊です。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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