♪おすすめ Blog

カテゴリ

最新コメント

Link

ブックオフオンライン【PC・携帯共通】

このブログをリンクに追加する

プロフィール

おもしろ本棚

Author:おもしろ本棚
読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

検索フォーム

月別アーカイブ

QRコード

QR

おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
こんな戦争もあったんだ『その日東京駅五時二十五分発』。
sonohi1.jpg
西川美和 著 新潮社

sonohi.jpg
文庫版


『永い言い訳』がとても良かった西川美和さんの旧作。
ハードカバーで読みましたが、文庫版も出ています。

叔父さんの手記をベースに
「全てに乗りそびれてしまった少年」の空疎な戦争体験を
小説にしたものです。

召集され、広島から東京に向かった3ヶ月後、
通信兵として訓練を受けている間に迎えた終戦。
19歳のぼくは、東京から五時二十五分発の大阪行きに乗って
故郷の広島に向かいます
(ハードカバー版の表紙はモールス信号!)。

数日前に原爆が投下され、焼け野原になったという広島。
電車から降り立ってみたものは
「何もかも巨大な槌で叩き潰されたような風景だった…」。

それは、戦いに駆り出される前に戦争が終わってしまった
ぼくにとっても、「戦争」を実感させる光景だったことでしょう。

壮絶で、残酷で、言葉では表現できない光景。
呆然とするぼくの前を、
大量の家財道具を積んだ自転車で通りかかる姉妹。

バランスを崩した妹を支えてあげたぼくに、
「生き残った、というだけじゃあ生きちゃ行かれんですけえね」
「あのまんまにしとっても、雨風にさらされて使いもんに
ならんようになるのを待つだけですけえ」
「兵隊さんも、いつまでもべそをかいたりしとらんと、
戦争が終わってもお国の役に立ってつかあさいよ」と
笑い声をあげて走り去っていくのです。
誇り高い火事場泥棒たち。

見送るぼくが、そう言えば、東京から広島まで
切符を買わずにきてしまったなあと思い出すラストシーン。

映画っぽい。
短いけれど、今まで読んできた、どんな戦争小説とも違う
不思議な後味の残る掌編です。


スポンサーサイト

テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://marmadays.blog2.fc2.com/tb.php/963-eb64ed78
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)