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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
当たり前だけど、残った人は生き続けていく『陽気なお葬式』。
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リュドミラ・ウリツカヤ 著 奈倉有里 訳
新潮クレスト・ブックス


1991年真夏のニューヨーク。
アパートの一室で亡命ロシア人画家アーリクが死にかけています。

アーリクは誰からも愛されています。
それは、彼が人を愛し、捨てて来たロシアでの暮らしを愛し、
移り住んだニューヨークの街と人々を愛し、
どこにいても変わることなく好奇心に満ちて、
人生を楽しむことを知っている人だからです。


彼のアトリエには
ウォッカのオレンジジュース割りを飲み続ける頼りない妻、
元サーカスの曲芸師で今は弁護士となった元妻と自閉症気味のその娘、
ロシアの地方で歌い継がれる民謡の研究家でおっぱいの大きい愛人、
ロジア時代の友人である医師とその友人らが、
代わる代わるやってきては、診察したり、薬草を塗ったり、
音楽を聴かせたり、身体をさすったりしています。

さらに、ロシア正教の神父、ユダヤ教のラビ、
パラグアイ人のバンド、イタリア娘など、
世界中からさまざまな人がつぎつぎに集まってきて
誰もがアーリクとの最後の時間を愛おしみながら、
暑さにうだって、食べたり飲んだり、居眠りしたり、
レコードをかけたり、踊ったり、しゃべったりと
ちょっとしたお祭りのようにぎやかに過ごしています。

そして、そのときテレビにはソ連邦崩壊の映像が…。
亡命ロシア人たちは、残してきた故郷を思ってしんみりしたり、
知っている人の顔をテレビの向こうにみつけて盛り上がったり。

死は本来、永遠の別れであり、悲しくて、淋しいものなのに
たくさんの人生がアーリクの死という1点で交差して、
一つの家族みたいに一体感が盛り上がってくるとき
それは、ちょっと楽しいものにさえ思えてきます。

集まった人々は、その後、それぞれ違う方向に向かって
生き続けていくことになるのでしょうが、
このお葬式前後の数日、アーリクという存在を中心に
一緒に過ごしたことで、人生の宝石を一つ手に入れたように思えます。

さらに、死んでしまったアーリクからの
プレゼントを受け取って、その思いはいっそう大きくなります。

ウリツカヤは
どんな時代、どんな国、どんな人種、どんな宗教の人にとっても
死は日常的な出来事で、残された人生はそれからも続いていくという
当たり前のことを語って、凝り固まった心を少し柔らかくしてくれます。

やっぱり、かっこいいなあ、ウリツカヤ。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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