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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『アックスマンのジャズ』


英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞作との紹介文で、
期待をもって読んだのですが、小説の舞台は
1919年のニューオリンズ。

当時、実際に人々を震撼させた、自称「アックスマン」による
連続殺人事件をベースに、ジャズの発祥の歴史や
微妙な肌の色の差による段階的な人種差別などを
盛り込んだ、たいへん厚みのあるミステリー作品です。

中に使われたアックスマンの手紙も、新聞社に送られた
ホンモノと同じものをそのまま使用しているとのこと。
 
 
 
現実には、未解決のままの事件なのですが、
小説化にあたっては、しっかりとした犯人像と
動機の背景が綿密に組み立てられています。

その難解な事件の解決に取り組む人々が
これまた複雑に3チームに分かれている。

一つめは、地元警察のマイクル。
白人でありながら、密かに黒人女性を妻とし
二人の子どもと幸せに暮らす彼は、家庭を守ることを
第一の信条としながら事件に挑みます。

二つめは、かつてマイクルに汚職を暴かれて服役し、
晴れて出所したルカ。彼は元締めのマフィアに
半ば脅されて、警察の先回りをしてシリアルキラーを
探し出す任務を命じられる。

そして三つめが、冴えない私立探偵事務所で
願い空しく事務員に甘んじている19歳のアイダ。
彼女は類まれな美貌を持ちながら、肌の色が薄い黒人という
孤立的な立場で、幼なじみのルイスの力を借りて
難事件の調査に首を突っ込みます。

という流れが同時並行で展開するので、アタマが追いつかない。
しかし、ときどき整理しながら読み進んでいくと
それぞれが掴む事実も異なり、結果的に読者だけが全てを知る
「神の視点」を持つ構造となっています。

被害者の人々も実名が使われ、殺されるにはそれなりの理由があることが
だんだんと明らかにされてゆく。
(しかし未解決の事件なのに、勝手に悪者にされちゃっていいのか)

さらに「ジャズをやってない奴を殺す」というアックスマンの予告で
町じゅうがジャズにあふれる「その日」と、
ニューオリンズを襲う歴史的豪雨とが絡み
事件はいよいよクライマックスへと向かいます。

事件後のエピローグでは、アイダとマイクルがシカゴに
居を移して、次なる事件に向かう予兆も記されてまして、
壮大なシリーズものの初回作って位置づけだったんだなあと納得。

ルイスはコルネット奏者で、この街のバンドを足掛かりに
ジャズプレイヤーとして成功していきます。もちろんこれは
ルイ・アームストロングがモデル。

ビッグバンドのジャズを聴きながら
長めの夏休みに読むにはおススメの一冊かも。

(余談ながら、ゲランのミツコが本作に登場していて、調べたら
1919年に発売されたとのこと。百年のロングセラーなのね)


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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