♪おすすめ Blog

カテゴリ

最新コメント

Link

ブックオフオンライン【PC・携帯共通】

このブログをリンクに追加する

プロフィール

おもしろ本棚

Author:おもしろ本棚
読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

検索フォーム

月別アーカイブ

QRコード

QR

おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
バーンズの世界を堪能『アーサーとジョージ』。
AJ.jpg
ジュリアン・バーンズ 著 真野泰・山崎暁子 訳
中央公論新社

二人の王様の物語? と思いそうなタイトルですが、
アーサーはコナン・ドイル、
ご存じシャーロック・ホームズの生みの親であり、
一方のジョージはジョージ・エイダルジという
実在の事務弁護士です。


同じ時代のイングランドで、全く違う人生を歩んでいた二人。

眼科医を経て、若くして売れっ子作家となり、
富と名誉とサーの称号を手に入れながら、
いつも何かに挑んでいないと落ち着かないという行動派のアーサー。

ペルシャ系インド人の父親を持ち、片田舎の司祭館の長男として育ち、
質素に生真面目に、法律を拠り所として生きているジョージ。

ジョージが連続家畜殺傷事件の犯人として裁判にかけられ、
3年の刑期を終えたのち、名誉回復をアーサーに嘆願したことから
二人の人生が交差していきます。

情熱家のアーサーはジョージを一目見て、その潔白を確信します。
「私はあなたの無罪を信じるのではない。知っているのです」と言い放ち、
ホームズばりの手腕を発揮して、警察の捜査の誤りを追及し、
判決を覆すべく行動を開始します。

おもしろそうでしょ!

ところが、そこはジュリアン・バーンズ。
だから、ホームズばりのアーサーが事件を颯爽と解決して
ジョージが感謝の涙を流して
めでたしめでたしという小説ではありません。

その事件は二人にとって、長い人生の一つの出来事であり
(大きな出来事ではあるけれど)、その後も人生は続きます。

そして、身に覚えのない罪で投獄されたときでさえ
揺るぐことのなかったジョージの「信じているもの」が
大いに揺さぶられるラストシーン…。

「ノンフィクション・ノベル」というジャンルゆえ、
実際の資料や文献を下敷きにしています。
どこまでが事実でどこからが創作なのか
境界線ははっきりしません。

バーンズの描き出した世界はきっぱりした勧善懲悪ではなく
現実ってこんなもんだよね、な、はっきりしないこと
明らかにならないこと、正義が必ずしも勝たないことだらけです。

だから、すっきりした読後感を求めるのではなく、
いろいろな疑問の海に投げ出されたような、
頭をかきむしって考えてしまうような読書を求める方には
だんぜんお勧めの、
わたしにとっては、今年のベスト3本当確を打ちたい一冊です。


スポンサーサイト

テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://marmadays.blog2.fc2.com/tb.php/952-b7c4ac77
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)