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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
志水辰夫『疾れ、新蔵』(徳間書店)


幼い姫を守って、江戸の藩邸から越後の国許まで無事に送り届ける――物語を一言で説明すれば極めてシンプル。迫り来る危機を乗り越え、さまざまな困難を克服しながらA地点からB地点への移動という、冒険小説の王道です。

ところがどっこい、作者はあの志水辰夫。主人公と姫の逃避行をベースにしながら、これでもかと本筋とは何の因果関係もないような人物を登場させ、場面を次々と転換させていきます。
(ここからちょっとネタばれ、御免)


まさか隠れキリシタンの集落まで登場するのかと驚いたり、偶然の出会いが実は主人公の出自に関わる必然的なものであったことがわかったり、藩を維持していくために国許と江戸藩邸が確執と協調を表裏していた苦悩が描かれていたり……サイドストーリーの充実ぶりは、地味に見えがちな本筋の展開をがっちりと支えています。冒険小説にお約束の、気の良い助っ人も、ワケあり女性も登場しますし、現状を否定して新たな生き方を模索する若者もいます。もちろん、残忍・凶悪なライバルも主人公の前に立ちはだかります。

何だか話があっちこっち行って、よくわからないよ……凝りに凝った構成に戸惑いながらも読み進めるうちに、もつれた糸がほぐれていくように物語の全貌が明らかになっていきます。これこそ、エンタテインメント=物語を読む快感、醍醐味です。

自分の思いを隠し、身分違いの女性につくすことを天命とする主人公のストイックな生き方に、志水辰夫の変わらないダンディズムがあふれています。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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