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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
篠田節子『冬の光』(文藝春秋)


四国八十八か所巡礼を終えての帰途、夜の海に身を投げた62歳の康宏と、その恋人・紘子の40年にわたる物語。康宏の死後、その足跡をたどる次女・碧の物語。いわゆる「神の視点」で、この二つの物語が並行して描かれていきます。

なぜ、康宏は家族を騙しながら不倫を続けていたのか?
なぜ、康宏は定年退職後、東日本大震災被災地でボランティア活動を続けたのか?
なぜ、康宏は巡礼の旅に出たのか?
なぜ、康宏は巡礼装束一式を捨て、巡礼を続けたのか?
なぜ、康宏は行き倒れの女遍路を助け、一緒に巡礼を続けたのか?
なぜ、康宏は刃物研ぎの仕事を始めたのか?
なぜ、康宏は結願の後、みずから死を選んだのか?
なぜ、康宏は……?

なぜ、……?

 
碧が出会う、康宏に関するさまざまな謎は、実は康宏の人生を含めて、読者である僕たちにはすべてが提示され、明らかにされています。しかし、碧は巡礼先で康宏と関わりを持った人たちから話を聞くだけで、そこから先は推測を重ねていくしかありません。しょせん家族と言っても、他人の人生や他人の心の裡を理解することなどけっしてできません。そのもどかしさ、その寂しさ、その悲しさ……。

それでも、康宏と碧にとって共通する光景は、奇跡のように二人に共通の思い出を蘇らせてくれるのです。「冬の光」というこのタイトルの本当の意味、このタイトルが示したかった光景が明らかになるラストシーンは、何と美しく輝いているのでしょう。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント
いい小説
篠田さんの作品の中でも、その魅力が余さず描かれたベスト級作品でした。
父親という、家庭の役割でしか康弘をとらえられない娘のもどかしい視点と
ひとりの男として、闘い、迷い、生き抜いた康弘の家庭観と、
それぞれが交差する瞬間をラストにもってきた、この上手さ。
数多く登場する女性像が、きっちり描き分けられているのも、さすがです。
誰でも、一生かけても、その人の一面にしか触れることはないのですねえ。
[2016/06/18 22:43] URL | ままりん #- [ 編集 ]


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