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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
「ゆうじょこう」村田喜代子


もともとは 2013年刊、
第65回 読売文学賞 小説賞受賞作品で、今年文庫化されて朝日新聞で紹介されていたので読んでみました。

いいです。
今のところ、今年のベスト。


時代は明治、半ば過ぎか。
主人公は硫黄島から熊本の遊郭に売られてきたイチ。
熊本には二本木という遊郭街があって、イチが売られた東雲楼も実際にあった、格の高い店だそうです。
明治の終わりには、ここで遊女たちのストライキがあったとか。
このへんの史実を踏まえています。
全くの田舎娘で、方言がひどすぎて言葉も通じないぐらいのイチがそんな格の高い店に買われたのは、顔立ちがいいらしいのと、島育ちは海に潜ったりして鍛えられていて体がいいから。だそうです。

冒頭、売られてきた女の子たちが一人一人、主に検分される場面があって、うわー、このあと、どんなつらい苦しいことが…と思ってしまうのですが、南の島出身で、ウミガメと一緒に泳いでいたイチは、この環境でも強くてまっすぐ。
もちろん、いろいろとつらいことはあるけれど。

イチを筆頭に、登場人物が、みんな、いい。
それぞれ個性的で、存在感が、ありあり。

特に素敵なのは、イチが世話になる花魁の東雲さんと鐵子先生。
鐵子先生は、若い女郎たちに読み書きその他教えてくれる女紅場の先生。
江戸の貧乏な士族の娘で、若い頃に売られたものの、口が達者で女郎屋でもてあまされて、女郎としてはやっていけず、下働きなどして、歳を重ね、肥後の熊本まで流れてきて、若い子たちの先生をしている。
この鐵子先生が、すごくいいんです。
書くことを覚えて、自分の言葉で(方言そのままで)毎日つたない日記を書いているイチを見守って。
そしてそして、この鐵子先生、若いときに福沢諭吉の「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」という言葉を読んで、ああ、そういう時代がやって来たんだ! と感動したものの、その後、福沢諭吉の本を読むと、この人は金を持っていない人のことは人と思っていない!
こいつが言う「人」というのは、上の階級の人間だけだ!
と思い知ったという設定で。
そうそう、諭吉って、そういう人なんだよね。
さらに鐵子先生が好きになってしまいました。。

とにかくこんな似非ヒューマニストには見切りをつけて、鐵子先生は、貧しく学問もない娘たちに寄り添っています。

いろんな人がいて、いろいろあって、最後、ストライキという史実を活かしたラスト。
その後、彼女たちがどうなるのかはわかりませんが、とりあえずは彼女たちが勝ち取った新しい人生に感動。
あたらしい生活に向かっていく女たち。
ということで、最近で言えば、「ナオミとカナコ」のラストを、ちょっと思い出しました。



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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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