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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『愛のようだ』


長嶋有さんの本は、意外なことにこれが初めてだった。

そして、すごく響きました。
いいです、すごくいい。

どんな風貌か知らんけど、最後のページを閉じて
わたくしは、このヒトが好きだ、好きでたまらない、
心底共鳴しました。
 
もう、今年のベストですね。
 
 
主人公は40歳にして免許取り立てのフリーライター。
独り身の彼には 片思いの女性がいる。
彼女は親友の恋人で、末期のがんに侵されている。

とはいえ、いま流行りの三角関係の修羅場を取り上げた小説ではないのです。

中年男が なぜ若者たちに交じって教習所に通うことになったかといえば、
地方の実家に帰省すれば、足手まといにしかならない自分を痛感し
早逝した兄の代わりとして必要に迫られたからというもの。

それでも好きな車を購入してからは、日々の仕事に遊びにと
ドライビングはすっかり定着し、親友とその彼女、仕事仲間、オタク友達との
愛車でのさまざまな道行きを リアルな音楽に包まれながら楽しむさまが 
いくつもの短編としてロードムービーのように描かれる。

彼の日産ラシーンに同乗するのは、気のおけない人びとばかりで
車中懐メロを合唱し、古今のマンガについて語り合い、
無邪気な旅は遠慮なく、楽しく続いてゆく。

それでいて、それぞれが心の深いところに抱えているものに
ずかずか踏み込んでいったりはしない。

互いの事情を慮りながら、そのくらいには大人でありながら
そんな、やさしく近しい関係の中で、誰かがぽろりと本音をつぶやく。

友人、恋人、仕事、親、子ども、一つひとつの糸が
自分とつながり、あるいは途切れる。
お気楽に生きているはずなのに、言葉にならない思いに
いきなり羽交い絞めにされる。

「愛のようだ」

それはきっと、まさにそれ。
愛なんて、まともに言葉にできる単純さはもう持てない。
どこからが恋で友情か、なんで悩むには年をとり過ぎた。
だけど、この心の奥からじんわりと湧いてくるもの、それは何なんだろう。

というような繊細なものを、ダサさクサさのかけらもなく、
ものすごく洗練された言葉使いで プライド高く
ぐっと抑制して書き綴る、そのストイックさに打ちのめされました。

だからこそ、だからこそ
ラスト1行の振り絞るような心の叫びが
もうぐっときてたまらんかったのです。

・・・・・・・・

まあ、これを読んだのが父を見送った直後で、
心がいろいろ吸収しやすいタイミングだったことも関係してるんだろうけど、
長嶋さんのデリカシーはたまりませんわ。

他の作品も読破せねば。
 





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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント
このヒト
わたくしは、このヒトが好きだ、好きでたまらない、

のこのヒト って、長嶋有さんのことですよね?

わたくしもすごく好きです!
私も、本は読んだことないけど。
ある落語会のトークゲストで出ていて、すごくいい味出してました。
本も読んでみよう! と思ったけど、まだ読んでません。

このヒトがブルボン小林だということも、そのトークの時に知りました。
風貌は…お調べください。
[2016/02/05 13:51] URL | アビイ #EECaoQqg [ 編集 ]

そうなんですね!
いやぁ近ごろ、とみにアビイさまと意気投合中のわたくしです。
もうもうぜひお読みくださいませ。
文庫本になったら、課題本に力強く推したいと思います。

風貌は画像検索で調べました。ナルホド。
ブルボンさんはこの方だったんですね。
早速Twitterでフォローいたしました。さんくすです。
惚れそうです。
[2016/02/06 23:37] URL | ままりん #- [ 編集 ]

よい小説だったー。
例会でどなたかがおっしゃっていた、
「小物使いのうまい小説家」の面目躍如!

それは決して小技ではなく、
その世界に引き込む手練手管なんだよな。

でも、ぜんぜん嫌味がないのは、
やっぱり作者本人の性格の良さのせいなのでしょうか。

ええもん読ましてもらいました。

[2016/06/30 13:28] URL | jefy #a7oJ0Vfo [ 編集 ]


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