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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『昭和45年11月25日―三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃』


今年の憂国忌に、テレビであれやこれや
三島由紀夫特集をやってたのをきっかけに
読書会会員の方から教えていただいた本です。
 
あの日何が起こったかを
とても斬新な切り口で、
客観的に教えてくれた一冊でした。
 
 
簡単にまとめると、これは120人あまりの著名人による、
「あの日」の自分語りで構成された本です。

三島と近しい間柄にあった人もいる。
何の関係もない、まだ子どもだった人もいる。

どんな人でも、あの日のニュースを知ったとき、
自分が何をしていたか記憶に残っているくらい、
三島由紀夫の自決は衝撃的な事件でした。

著者は、一人ひとりを直に取材したわけではなくて、
あちこちの場でいろんな人が語っている「あの日」の話を
徹底した調査力で探し出してきて、批判も同調もなく
多角的な視点から、三島の自決の全容を
読者に知らしめようとしています。

著者と同世代の私もまた、あの日の記憶は残っています。
まだ小学生だった私には、事件の意味も背景も
理解しようがなかったのでしたが、ただうっすらと
新聞の一面に人の首が転がった不鮮明な写真があって
その猟奇性に怯えたというのが正しい気がします。

三島作品に触れる年齢には、まだ達してなかったけど、
その名前は知っていたから、一般的にも三島由紀夫は
かなりの有名人であったのでしょう。

やがて中学、高校hに通う身となり、太宰から三島へと
あの時代の、王道・思春期読書路線を突っ走る中で、
『金閣寺』を読み終えたときは、今三島が死んだのだったら
ものすごい衝撃を受けて立ち直れなかったかもなーと思いました。

しかし事件の真相は相変わらず理解しないままだった。

この本に出てくる方々は、当時報道の第一線にいた記者をはじめ
政治家、自衛隊関係者はもちろん、まだ10代半ばのユーミン、
楯の会の制服をしつらえた西武百貨店社長の堤サンとか、
浪人生なのに進学をやめて自衛隊に入った浅田次郎センセイとか、
本の雑誌を始める前のシーナさん、目黒さん、菊池さんとか。

いろんな方々の来し方を知るだけでも、とても面白いのだけれど、
あの事件がどれほど衝撃的で日本中を混乱に陥れたか
それでいて、何も結果を生み出すことなく終わったか、

国に盾突く罪の大きさと、若き命を奪った重さと
それと引き換えても三島が成し遂げたかったのは
純粋に国を憂う政治的な使命だったのか、
カタチを変えた文学表現だったのか、
ナルシストとしての劇的な人生の幕引きだったのか

いまだに解釈が分かれる謎をそのまま突き付けていて、
戦後70年経った今、ふたたび軍事色が濃くなる気配が漂う
わが国の未来に目を向けさせるのです。

その昔、私が通った大学では、卒論の研究対象とする作家は
「没後50年を経ていること」という不文律があって
三島は新しすぎて対象外となっていました。

50年経たないと評価が定まらないってことだったのか
50年経っても名を残していないとダメってことだったのか
知るすべもないのですが、今もまだその不文律があるとすれば

あと5年で三島由紀夫を卒論に書けるワケだぜよ、
ちょっと感慨深くなってしまうのでした。
 
おススメの1冊です。
 




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