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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
いい子だなあ、『Masato』の真人くん。
masato.jpg
『Masato』
岩城けい 著 集英社

デビュー作『さようならオレンジ』で太宰治賞と大江健三郎賞を
ダブル受賞して話題になった岩城けいさんの2作目。
大江賞はちょっと意外だったけど
(大江さん好みというのが意外だった。
賞を取るのは全然意外じゃない力作です)。

父親の仕事で一家でオーストラリアに行き、
現地の小学校に通うことになった12歳の真人くん。



はじめは、言葉も全然わからず、授業には遅れる、
いじめには遭う、友だちはできないの辛い日々の中、
日本から連れてきた柴犬のチロだけが慰めでした。

でも、真人は逃げません。、
少しずつ言葉を覚え、友だちの輪に入り、勉強もがんばります。

「マサァトゥ」と呼ばれる自分は自分じゃないみたいだし、
英語で話す自分はうそつきのような気がしていたのに
だんだんと「マット」いう呼び名になじみ 、
英語でないと言えないことが増えていき、
日本語の方が自然に出てこなくなり…。

異文化の中での真人の葛藤はそのまま
真人の家族の葛藤でもあります。

日本語英語を操りながら、日本の本社からの指示を
現地社員に伝えていかなくてはならない父
「虻蜂取らず」なんてどうやって英訳しろって言うんだよっ
なんて、夫婦喧嘩で怒鳴ってしまいます。

オージーの社会にまったく入っていけない母は
真人を連れて日本に帰る気満々です。

学校と家庭での真人の1年あまりを追いかけて
少年の成長を描きつつ、
前作同様、異文化の中だからこそ生まれる
喜怒哀楽、悲喜こもごもが
ずっと背景に流れています。
オーストラリアには日本人だけじゃなく、
多くの国から外国人がやってきて、
そのコミュニティの中で生きているから。

折しもパリでのテロ事件が起こり、
ベルギー生まれのイスラム教徒の青年が
犯人グループの一員だったり、
移民の多く住む地区での差別・排斥が
クローズアップされたりしました。

そんな事件がなくても、
難民や移民は「なんとなく怖い」と思っている
日本人は多いように思います。

生まれた土地とは違う文化の場所で生きていくこと、
違う土地からやってきた、まったく違う習慣や価値観の人を
自分たちのコミュニティに受け入れていくこと、
どちらも、これからのわたしたちが向き合わなくてはならない
切実なテーマだと思うとき、

岩城さんの本は、ちょっと勇気を与えてくれます。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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