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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『なめらかで熱くて甘苦しくて』


川上弘美さんは、『夜の公園』を最後に
もうずっと読まなくなっていたのですが、
表紙のかわいらしさとタイトルにちょっと惹かれて
時間つぶしの気楽な気持ちで手にした文庫本です。

ところが、
 
川上さんの生来の鋭い感性といいましょうか、
妬ましいまでの天賦の才が、いずれも
見事に洗練された短編となって書き著されていて、

ああやっぱり、川上弘美って類まれな作家だなあ、
しみじみ打たれた感があったのでした。

「aqua」「terra」「aer」「ignis」「mundus」という5つの短編から成るこの作品は、
官能的なタイトルからも察せられるように、川上流の「性愛」を描いたもの。
とはいえ、描写にどぎつさはなく、男女の行為そのものを描いていても
どこか観念的で美しく、生々しさは皆無です。

少女が思春期における女子同士の友情を通じて、ほのかに薄暗い
内面の性を意識しながら成長する「aqua」。

突然死した恋人の骨を故郷の菩提寺に納めにいく
若い男と、それに同行する「女」の、愛と死をテーマにした
ファンタジックな「terra」。

女として母として、人間として動物として、出産と子育てに関わる
女性の奥深い感情を緻密に丁寧に、偽りなく描いた「aer」

「伊勢物語」を下敷きにして、祖父の愛人関係を
女性側の視点から描いたという「ignis」

たび重なる洪水に見舞われる特異な家族の歴史を
幻想的なテーマで描いた「mundus」

後書きを読むと、「mundus」が最も評価されるべき圧倒的な
傑作のようですが、私個人としては、理解力不足のためか
ちょっと持てあました気分。

それより何より、「aer」が圧巻でした。
子を持って、新たな視点で母子関係を描く作家はたくさんいるし
同じ姓の川上未映子さんも話題作を書いてますが(未読だけど)

こんなふうに複雑に絡み合い、こんがらがった感情を
一つひとつ解きほぐすような描き方が、それでいて
主観的にならず、どこまでも距離を置いた視点が貫かれているところが
ああ、本当に恵まれた才能を持つ人なんだなあと感じ入ってしまったのでした。

・・・余談ながら、かつて『夜の公園』を課題本にしたとき
主人公が若い男といちどきに「2回した」とあるのを読んで
K講師が「いちいち回数を書かずともよい」と憤怒していたのを思い出した。
いや、この小説とは何の関係もないけれど。

もうひとつ。これも余談ですが、
川上さんはいつまでも若くてお綺麗ですね。
美魔女とかギトギトした感じではなく、清楚なままの美しさで
ただただ若々しい。

そういうのって感性のなせるワザなんでしょうか。
つくづく妬ましい素敵な方ですね。ためいき。




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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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[2015/11/06 07:22] URL | つねさん #- [ 編集 ]


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