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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『長城』


日本ファンタジーノベル大賞を受賞したデビュー作の
『増大派に告ぐ』が2009年、
Twitter文学賞を獲った2作目の長編
『本にだって雄と雌があります』が2013年。

寡作な小田雅久仁さんの次の作品が待ち切れず、
探してみたら、今年のSFマガジン3号にわたって前・中・後と
『長城』なる中編が発表されていたので、読んでみました。
 
 
SF雑誌ですから、もちろんSF小説なのです。
あえてそう言ったのは、ファンタジーノベルズの受賞作が
どう逆立ちしたって100%の純文学小説で、

何の縛りもない2作目が、あっと驚く和風ファンタジーで、
幅の広さに唸らせられるばかりだったので、
久々にちょっと長めのコレはどんな作品なのかしらんと。

実はこれを読むまでに、文芸誌に載った『耳もぐり』
『少女が重みを返すとき』などの短編を読み、
さらに最新作では『小説新潮』2015年9月号に載った
やはり短編の『予言者』にも目を通し、
近年私がいちばん気になる新人作家の小田さんが
何を書く人なのか、少しずつ見えてきたような気がしたのです。

長い前フリはさておき、この作品に話を戻すと
「長城」とは、いわばこの世のパラレルワールドで、
そこには特殊な呼び声を聴くことができる、
選ばれた「兵士」だけがたどり着くことができます。

そこは人間の「悪」がはびこる世界。
人が人を傷つけ、殺すという蛮人の残虐な行為に本能的に共感し
バーチャルではなく、自分とは別の実人生を生き抜き、
超えてはならない壁を踏み超えてしまう悪夢のような場所なのです。

しかし現世と長城を行き来する兵士たちは、いつしか心を病み
二つの世界の境目がわからなくなってしまいます。

そこに、人間として真の生き方を問うことはできないかという
小田さんの果敢な挑戦がうかがえる力作です。

これまで数作読んだかぎりでは『本にだって・・』の、幸せあふれる
本好き人間のファンタジーがむしろ異質な気がするほどで、

デビュー作から、彼はずっと人の心の闇、ダークな部分を
ぐいぐい掘り下げて読者に突き付けてくる作家のように思います。

それが決して甘くも青くもないのは、その奥底にあるのが
苦しみ闘いながら、真摯に生きるひとの姿が、
ある種の真実が描かれているからだと思うのです。

特に短編は、若き日の筒井康隆大先生を彷彿させるような
鋭さと圧倒的な才能のほとばしりがあります。

決して読みやすい作家ではないし、ベストセラーには
なかなかなりにくい作品かもしれませんが、
又吉さんとはまた違う、今の世の純文学の旗手となる方だと思い
(ファンタジーとかSFのジャンルではあるんだけども)
わたくしは、ホントにホントに応援しているのです。

だから、みんなも読んでね。
 
 
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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