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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
「これも直木賞落選本」


門井慶喜 
『東京帝大叡古教授』

直木賞候補になったものの、受賞を逃した作品です。


全然知らない作家です。
読む気になったのは、「東京帝大」 ということは、漱石の小説の時代が舞台なんだろうなあ、という興味と、「叡古教授」 の名前は、ウンベルト・エーコをもじってるんだろうなあ、というところから、読んでみました。
時代背景については、まさに、漱石が帝大で教えていた時期。
漱石その人も、登場します。
その他、徳富蘇峰、原敬、西園寺公望、といった実在の人物たちが出てきます。

ファミレスのドリンクバーでコーヒーを何杯も飲みながら読んで、時間をつぶすのにちょうどよかった。
が、この本も読後、もやもやしたものが…。

一応、連続殺人事件が起こって、叡古教授が天才的頭脳で解決するのですが。
ミステリーとして読むと、いきなり謎を解明してしまうところが、ずるい。
まあ、作者の主眼は、ミステリーではなく、この時代のこの事件、この世相、時代の流れを描きたかったのでしょうが。
そういう意味ではスケールが小さく、なんか中途半端。

そしてもやもやの一番の原因は、連続殺人の犯人。
実行犯は、すぐに明らかになります。
が、その陰には実行犯に殺人を示唆した黒幕がいる。
それはその時代の有名人。
そう、実名で出てくる実在の人物の中の一人です。
これは、終わり近くで明らかになります。
つまり、歴史的に有名な実在の人物を、殺人事件の黒幕にしているわけで、作り話とはいえ、これっていいの?と思います。
しかも。
殺人の実行犯は牢に入るのに、この人物はお咎めなし。
殺人教唆って、犯罪でしょう?
いいの、このままで。

それと、物語の語り手である熊本出身の五高の学生。
ずっと仮名で通してきて、最後に本名が明らかになる。
これも、歴史上の人物です。
大分で生まれ、熊本五高を出て東京帝大に入り、歴史上、名を残した人物。
予想がつかなかったので、誰?誰?と期待していたのですが。

本名が明らかになって、一瞬 …?誰だっけ、この人…?
帝大卒業後の彼の半生を語られると、ああ、そうだった、そうだった、と日本史で勉強した知識がうっすらと蘇ってくるのですが。
漱石、徳富蘇峰、原敬、西園寺公望、…レベルの有名人を期待していただけに(吉田茂?違うよなあ、なんて思いながら読んでいたので)この方には申し訳ないが、肩すかし感が。

読了後、直木賞選考委員のコメントを読みましたが、ほぼ全コメント、納得です。
特に桐野夏生
「のんびり、とぼけたテンポで進んでゆくので、ついつい読んでしまう。
後出しじゃんけん風に、驚くべきことが、後から後から明らかになる。」
「このトーンがたまら
ないという読者もいるのだろう。」
同感。
後出しジャンケン。
このへんも、もやもや感の原因なんだなあ。



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