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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
就活を書いても就活小説じゃない『「ワタクシハ」』。
watakushiha.jpg
著者:羽田圭介 出版社:講談社 2011年

課題本『スクラップ・アンド・ビルド』が好きだったので
続いて読んでみた芥川賞作家・羽田圭介の作品(2011年)。

高校時代にテレビのオーディション番組からメジャーデビューしたバンドで
ギタリストとして売れっ子だった太郎は、
現在は大学生になり、バンドは解散、当時の貯金も100万円を切り
かろうじて入ってくる印税や演奏仕事でつつましく暮らしています。

3年生になり、ガールフレンド・恵の就活に付き合って
テレビ局を「記念受験」したことをきっかけに
就活にのめり込むことに…。


が、元売れっ子ギタリストの肩書きは
面接の最初のうちに話題として取り上げてはもらえても
就職戦線での武器とはならず、太郎のもとには
「ご活躍をお祈りいたします」のお祈りメールばかりが届きます。

太郎とその友人たち、それぞれの就活や芸能活動を通して
描かれる世界の「なんか変だよね」な感じは
『スクラップ・アンド・ビルド』と共通のものがあります。

高校生で文学賞を受賞し、
一応作家という肩書きを手に入れてから大学生活を送った、
作者自身の実体験がより強く反映されているのは
こちらの作品かもしれません。

でも、やっぱり、就活を書いても就活小説じゃないんです、羽田さん。
エントリーシートに自分の体験を「具体的に数値を使って」書きながら、
どんどん自分の本質とは違うものになっていく感じとか
面接でそれぞれが決められた役割を果たす暗黙のお約束の脱力感とか
社会が作り上げた一つのシステムがいつしか一人歩きして
人間は置いて行かれてしまっている感じとかが、
めちゃくちゃうまいです。

人間が大量生産のロボットみたいに扱われて
代替のきく部品になっていく怖さが
前に課題本でやった『俺俺』(星野智幸)に似ています。

芥川賞って、まだ原石だけど磨けば光りそうな作家に
あげる賞というイメージですが、
羽田さんは作家として、すでにかなりプロフェッショナル度が高いと思います。

同じ就活を描いて直木賞を受賞した
朝井リョウ『何者』はまだ読んでいないのですが、
やっぱり読んで比べたくなりました。

あ、それから、
現在は文庫化されていますが、
単行本のこの表紙の方がずっとずっとぴったりです。
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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