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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『宰相A』
宰相A宰相A
(2015/02/27)
田中 慎弥

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『共喰い』以来の田中慎弥さん。
オーソドックスな純文学の旗手として注目していたので
どんな作品かなーと期待してページを開いたのですが、
これはまた新規分野の開拓?なハナシなのでした。
 
 
主人公は、書くネタに行き詰まってる作家T(自身を匂わせる)。
彼はネタを求めて、30年前に亡くなった母の墓参りに行こうと、
母の故郷に向かうのですが、なんとそこは、
第二次世界大戦後に生まれたパラレルワールドの日本。

うーむ。

読むにつれ混沌とし、いったいどうしてこんな小説を書くことになったのかと。
田中さん自身が行き詰まり、ムリクリ捻り出した感のあるストーリーなのかと
勘ぐってしまうようなストーリー展開なのですが。

しかし筆力のある方なので、筆がのってくると読ませるところも多々あるというか。
乱暴な言いかたをすると、三崎亜記さんの『となり町戦争』が、
しっかりとした筆力で緻密に描かれている感じ?

パラレル日本は米国の完全支配下に置かれた好戦的な国です。
独裁者が、生まれ変わった我が国の民衆の戦意を煽る。
それはある種、右傾化が懸念される今の日本の政党を
揶揄するような内容ではあるのですが、それが書きたかったのかなあ。

いっぽうで、Tの根っこに巣食う母への偏執的な愛情=マザコンが
浮き彫りにされて、なんとも居心地が悪いといいましょうか。

主人公の顔が、かつての民衆の英雄と瓜二つってところから
騒動が始まるんですが、この前読んだ『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』
の中の『顔』って短編をつい思い浮かべてしまい、あの端的な
反体制主義の描かれ方に比べると、やや、まわりくどさを感じてしまいまして。

田中さんには、エンタメ的なストーリー展開よりも
日常に埋没したひと一人の思いをとことん掘り下げて書くような
内省的な小説を書いていただきたいものだと、

期待が大きい人だけに、読者としては勝手な思いを
抱いてしまうのです。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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