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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』
元気で大きいアメリカの赤ちゃん元気で大きいアメリカの赤ちゃん
(2015/02/07)
ジュディ バドニッツ

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表紙絵のインパクトで手にした本でしたが、
これはとても巧妙に描かれた幻想文学。
岸本佐知子さんの訳で、12の短編が収められています。
 
 
 
奇妙で不気味、美しいのにどこかユーモラス
と帯にあるとおり、決して暗い小説ではないのですが、
描かれているテーマはかなりブラック。

本のタイトルは『わたしたちの来たところ』というお話の中で、
どうしてもアメリカ国内で出産するために、臨月のお腹を抱えて
不法入国を企てては強制送還されてしまう隣国の女性が口にする台詞で、
彼女はそれに固執するあまり、とっくに産み月を過ぎた赤ちゃんを
お腹の中で2年も3年も育ててしまう。

遠い昔に読んだ、確か筒井康隆さんの短編だったと思うのですが、
(調べたけど出てこないので違うかもしれない)
母の胎内に居座ったまま成長を続ける息子の話を彷彿させました。

ほかには社会主義の国家で、街の至る所にあふれていた独裁者の似顔絵が
いつの間にか自分のものに刷りかえられたことで、革命後に追われる身となった
女性の話を描いた『顔』。

野戦病院で、次々と負傷兵の手足を切断し続ける外科医の錯乱を描いた
『優しい切断』。

などなど、さまざまなシチュエーションで、どの時代にもどの国家にも
ありそうなブラックな問題が浮き彫りにされています。

人種差別や男女差別、いろんな権力主義の愚かしさ、滑稽さを
鋭く批判する作家の反体制的な視点が、そこにうかがえます。

短編ながら読み応えのある12篇。
こういう小説を書ける作家は、今の日本にはあまりいないかもな
と、ちょっと寂しくも感じました。
 

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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