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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
人と動物の未来が心配、『聖地Cs』。
聖地Cs聖地Cs
(2014/08/29)
木村 友祐

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初めて読む作家、木村友祐さん。
2009年『海猫ツリーハウス』という作品で
すばる文学賞を受賞した方です。

中編2編を収録した『聖地Cs』は
両方ともたいへん重い小説でした。

表題作は、福島第一原発から14キロ。
原発事故の後、見捨てられ家畜のうち、
かろうじて餓死を免れて生き残った牛
300頭あまりを飼い続ける牧場に
ボランティアに行った主婦の話。
著者自身のボランティア体験を
ベースに書かれたそうです。

国からは殺処分するように言われた出荷できない牛たち。
泥と糞尿にまみれ、放射能まみれのエサを与えるしかない
人間もまた、放射能を浴びながらの作業です。
ちなみにタイトルの「Cs」はセシウムの元素記号。

原発事故という大問題だけで思考停止に陥りそうなのに
生き物の命を奪って生きていくしかない人間という生物、
自然の循環やモラルを破壊してそれを「成長」と呼ぶ社会、
人間さえも「命」ではなく「資源」としてしか見ない、
選別が進み格差が拡大していく世の中。

見捨てられ、汚染され、疎外され
それでも生きていく牛たちに重なるのは
人間も同じだよね、というため息のような感慨。

2編めの「猫の香箱を死守する党」も同様に
猫をモチーフにしながら、
社会のシステムから振り落とされていく人間の叫びと、
そこにささやかにツメを立てて抗う姿が描かれます。

牛も猫も人間も、あらゆる生き物が
これからどうなっちゃうんだろう、と
ちょっと暗澹としてしまった、
重い、重い1冊でした。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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