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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『死にたくなったら電話して』
死にたくなったら電話して死にたくなったら電話して
(2014/11/20)
李龍徳

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第51回文藝賞受賞作のひとつ、です。

公募の新人小説ですが、山田詠美さん、飯島和一さん、
鹿島田真希さん、綿矢りささん、山崎ナオコーラさんなどなど
幅広く才能ある作家を世に送り出してきた同賞、

さすがのハイレベルにがつん!とヤられました。
 
 
タイトルどおりの、退廃的、厭世的な
若き男女の、常軌を逸した恋愛物語です。

主人公は、父も兄も医者というエリート一家の末っ子に生まれ
親に反発して家を出て、三浪めに突入した大学受験生の徳山久志。

ある日彼は、バイト先の居酒屋の先輩に連れていかれた
大阪は十三にある朝営業のキャバクラで、売れっ子キャバ嬢の
「ミミちゃん」こと山仲初美に出会う。

何が響いたか、初美はそこで徳山に一目ぼれし、
プロとは思えぬ直情的なアタックで彼をモノにします。

と書くと安っちいハナシのようですが、この人目を惹く美貌をもった
初美の素性が謎めいているのです。売れっ子キャバ嬢ならではの
高級マンションの自宅には、彼女が読みこなした膨大な書籍が並んでいます。

とはいえ、初美の興味は特に残虐な世界の歴史に偏向しており、
古代から近代に至るまで、人類の為してきた数々の悪行について
彼女はベッドの中でとうとうと徳山に吹き込むのです。

徳山もまたイケメンではあるのですが、初美に見込まれたポイントは
容姿ではなく、互いに共通するネガティヴ性向にピンときたという。
「私たちは似てる」ってやつですね。

キツネにつままれたような心持ちのまま、しかし魅力的な初美に
しだいに取り込まれ、体も心も支配されてゆく徳山の異様な変化が
読者にただならぬ不安を呼び起こします。

家庭にも仕事にも、目先の受験という大きな課題にもストレスを持ち、
人とのつながりに危うい緊張感を抱えながら生きる徳山が
初美との出会いで安らぎを得つつ、それとともに
世間から、生きることから逃避していく。

そんな後ろ向き指向の話なのですが、二人のキャラクターがよく書き込まれ、
取り巻く人々との人間性、関係性のいやらしさにもリアリティがあり、
初美が徳山をどんどん死の世界に近づけることに納得させられるのです。
そこが、書く人の才能というものなのでしょう。

背筋が少し寒くなる、それなのに目が離せない、
ちょっとホラーな恋愛物語です。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント
嫌ラブス?
うまい小説なのだと思う。
うまいから、こんな嫌な後味を残せるんだよね。

嫌ミスならぬ嫌ラブストーリー?

時代が、若い人たちが、こういうのを求めているのだとしたら、
それはちょっと危ない方向に向かってるんでないかい?
と、おばちゃんな感想を持ちました。
[2015/03/09 10:18] URL | jefy #a7oJ0Vfo [ 編集 ]


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