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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『お勝手太平記』
お勝手太平記お勝手太平記
(2014/09/30)
金井 美恵子

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これはもう、とっても痛快。
還暦を過ぎた女性だからこその、何も恐れるものはない
遠慮のない物言いが、いちいちツボにはまりまくる
納得のオモシロ本でした!
 
60代後半のアキコさんは「手紙」魔。
この小説は、アキコさんが、かつて「お嬢様」であった女子校時代の同級生で、
今も交流のある友人らに宛てた書簡集の体裁をとっています。
すなわち、物語はすべてアキコさんの主観で描かれております。

アキコさんは長らく独り身でしたが、還暦を前に弁護士の夫と出会い、
人生で思いもよらなかった結婚をする。
呆けた母親を数年前に看取り、白内障の手術もし、
新たな家族となった夫の、前妻との間にできた子はとっくに独立して、
何の気兼ねもない悠々自適の日々を過ごしております。

いまどきは、すっかり廃れた手紙をアキコさんは書き綴ります。
日記のように思いつくまま、あちこちに寄り道しながら書き散らし、
相手の気持ちなど顧みず、アキコさんは心に浮かんだことをずけずけと
言いたいことだけ書いていく。

その毒舌は、共通の知人や家族やら、世の出来事やら、
文学、映画にいたるまで、実に多彩な表現力に満ちている。
毒舌というのは、なんと痛快なものでしょう。
それが売りの芸人もいるくらいだから、やっぱり私たちは
どこかで言いたいことをガマンして生きているのでしょう。

アキコさんの毒舌は、「よくぞ言ってくれた」という
胸のすく思いがし、思わず拍手をしたくなります。
言われた方はたまったもんじゃないですが。

アキコさんは舌禍ならぬ筆禍事件をしょっちゅう起こして
御友人を憤慨させてもいるのだけれど、ま、その正直ぶりゆえに
交流も長く続いているらしいのです。

読んでて噴き出したことのひとつを、たとえば書いてみますと、
白内障の手術で入院した時、アキコさんは売店に
男物のブルーのパジャマと女物のピンクのパジャマしかないことに
憤慨する。ブルーを女が着てはいけないのかと。

すると隣のベッドの女性が言うのです。
病院は化粧もしないし、うろうろ歩いていると
じーさんかばーさんか見た目で判断つかなくなるから、
誰にでも「一目でわかるオトコ色とオンナ色が必要なのだと。

アキコさんはすとんと納得し、若い人の「勝負下着」ならぬ
いざというときのための「勝負パジャマ」があたしたちには必要なんだわ!
と気づいて、それをまた御友人のお手紙に書くのです。

そのほか昭和のお嬢様ならではの時代感覚もたっぷり味わえて
懐かしく、古今東西の名作がばっさばっさと斬られていくのも爽快です。
お正月本にもおすすめ。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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