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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
「オリンピックの身代金」
おり

奥田英朗さんは「イン・ザ・プール」から入ったんで、
軽妙なノリの作品しか読んでなかったんですが、
「無理」を読んでから、シリアス路線にハマり、
「最悪」を読み、続いてコレ。時代的には流れを遡ってマス。


これがまた、面白かったですね~。

昭和39年、戦後の復興を果たし、いよいよ日本でオリンピックが開催されるその年の、
社会格差が生み出した一人の学生テロリストと それを追う警察組織の闘い。
国を挙げての一大プロジェクト、オリンピックのために
開会式のその日まで、すべては秘密裡に進められ、そして・・。


東北の貧しい村に生まれながら、頭脳明晰ゆえに東大進学を果たして
未来を約束された彼が、出稼ぎに来ていた兄の死をきっかけに、
故郷にあっても都会にあっても、もはや不満をぶけるエネルギーさえ持たず
息も絶え絶えの暮らしを続ける同郷の人々に触れる。


彼らの労働力の最上層部には、豊かに暮らす人々がいて、
東京の街はモノレールが走り、新幹線が開通し、
丹下氏設計の代々木体育館ができ、街が近代未来への進化を急速に遂げていく。


・・・・・・・・


私は、東京オリンピックの頃は幼すぎたし、田舎に住んでいたので
性急に進化を遂げる社会のエネルギーを実感したことはありません。
でもテレビが家に届いて、近所の人が見に来たのは、おぼろげに覚えてるな。


その頃の日本は、未来への希望と、スピードが各所に生み出す社会のひずみと、
(社会格差は、今の時代とは比較にならなかったんでしょう、きっと)
あらゆるものが詰まった濃い社会だったのだなあ、とあらためて考えさせられました。


現代中国の富裕層と地方の貧農をとらえたドキュメント番組を
見て、ため息をつくことがありますが、まさにそんなものだったのかなと。


作者自身も、まだ幼い年齢だったはずですが、
そういう時代背景と、テロリスト、刑事、学生、ブルジョア、各階級?の
人々の心理が、とても緻密に丹念に描かれていて、何度も唸らされます。


物語の結末は悲劇的ですが、眼に浮かぶように鮮やかで、
映画ならば、一瞬にして静寂に包まれるのだろうと思います。


やっぱりすごい作家です。



「天地明察」と、早くも今年のベストを分かちそうです。困ったわ。
「1Q84」もまだ読んでないのに。



オリンピックの身代金オリンピックの身代金
(2008/11/28)
奥田 英朗

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テーマ:読書記録 - ジャンル:小説・文学

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