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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『江戸の花嫁―婿えらびとブライダル』
江戸の花嫁―婿えらびとブライダル (中公新書)江戸の花嫁―婿えらびとブライダル (中公新書)
(1992/02)
森下 みさ子

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読んでるんですよ、あれこれと。
江戸モノを。

江戸三百藩とか、町人の暮らしとか、歴史不得意人間にも手の届きやすい
ビジュアル資料ふんだんの図説シリーズとかを。

その中で、これはついでに見つけた新書もの。
ただ何となく、江戸時代の結婚ってどんなものかと興味がわいて。
 
 
著者は女子大の教授をなさってる研究者の方ですが、
絵物語や古典文学、女庭訓往来など、江戸の民に親しまれた
各種の資料に面白おかしく描かれた「嫁入り」を取り上げ、当時の価値観、
女の人生というものの奥底を探り出そうという姿勢で書いておられます。

いや面白い。

いわゆる政略結婚とは武家社会のもので、江戸の町民は
もっと自由に恋愛風味を楽しんでいたようで。
「年頃の娘、息子がいる」と、誰かがあちこちに話を振れば、
プロの仲人が釣り合う縁を探し出してきて、「見初め」の場を用意する。

面と向かって話すのではなく、花見などにぎやかな場で
「ほら、あの人よ」と横目に見ながらそばを通り過ぎる。
互いの第一印象を結構大事にしたらしい。

てことはすなわち「見た目重視」なワケで、
器量の良い娘を持った親御さんたちは、ランクアップの縁探しに奔走し、
ザンネンな娘の親は、ひとり身を立てるべく手に職をつけさせる。

資産家の見目麗しき娘や女房が芝居だ花見だと遊び歩き、
身を飾りたてることしか夢中になれないのも、いつの世も同じ。

ひとつ違うといえば、今よりも花嫁の持参金の意味あいが重かったこと。
ある意味それは契約の預り金のようなもので、夫の有責による離縁の際には
嫁は持参金もろとも実家に戻さねばならぬという。

嫁入りの儀式や道具類が家の格を見せつけるものとなり、
ふわふわと意思を持たずに生きる娘は、両家の資産の持ち運び役。

農家の嫁入りが労働力の受け渡しであったのに比べ、
裕福な町家の婚礼は、多様な女の人生を描いて
多くの人に読み物として楽しまれていたらしいのです。

ううむなるほど。
女はやはり美しくあらねばならぬのね。

昔っからわかり切ってたそんなこと、顔より心、みたいな
空虚な価値観を植えつけられて育った身としては、思春期を過ぎ
いくつもの「話が違うやん」という失望を味わった記憶がよみがえる。

それならいっそ、若いうちにもっともっと美を磨けばどうにかなったかしらん、
などと江戸の昔に生きた人々の、人間性を間近に見た思いがするのですが、
いくら美しくとも奇癖があれば、それはそれで傷物として手こずるワケで。
互いの傷バランスを考えた相手をつなぐことこそ仲人の本領発揮の場。

そもそも仲人とは、持参金のいくばくかを貰って儲ける縁結びのプロです。
今の時代、婚活サイトは当人の意志で頑張らねばなりませんが、
そのころは本人がボーっとしていても、同じようにボーっとした中から
手ごろな相手を見繕ってもらえて、しかも成功報酬のみ支払うという
納得のいくシステムが確立していたわけです。

やり手の仲人が若き男女を効率的に結び付けてた時代は、
それはそれで合理的で幸せだったのかもしれないなあ。
少子化問題も解決しそうだし、なんて納得しつつ。

もちろん、論点はそこではなく、歴史文化を知る本なんだけどね。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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