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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『狼少女たちの聖ルーシー寮』
狼少女たちの聖ルーシー寮狼少女たちの聖ルーシー寮
(2014/07/17)
カレン ラッセル

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表紙絵とタイトルに目を惹かれますね。
『スタッキング可能』『英子の森』の松田青子さんが訳した
とっても上質なファンタジー短編集です。
 
 
独創的なタイトルのついた10篇のお話は、
  ・さびれたワニ園に住む、色ボケした頭の弱い姉としっかり者の妹。
  ・幽霊が見えるゴーグルを着け、波にのまれて行方不明になった妹を探す兄弟。
  ・ミノタウルスの父親に連れられて、西部に向かう一家。

などなど、一言で説明するのが難しい奇想天外なものばかり。  

どれも苦しく、もの哀しいお話なんです。
子どもたちの横のつながりが中心の世界。理解のない大人たちは彼らの敵。
敵ではあるものの、大人もまた弱くて狡くて寂しい生き物です。
感受性豊かな子どもたちはそれを見越し、自分の力で生きていく。
その強さとしたたかさ、そして純粋さが光る物語なんです。

そんなふうに手触りのよい質感が残るのは、
南フロリダ出身という若き作者の描く世界が、どれも自然と深く関わるもので
沼地も海も山も、ダイナミックに闘いを挑んでくる、その緻密で美しい描写が
目に見えるように迫ってくるからかもしれません。

最後に掲載された表題作は、狼人間の両親(!)に育てられた三人姉妹が、
野性を捨てて文明社会に生きられるよう
矯正施設の学校に入れられて人間らしく変化していくお話。

吠えるのではなく、言葉を話す。
四つんばいから二足歩行を学ぶ。
自分の育った環境を忘れ、新たな生活になじんでいく。

描かれるこれらの空想世界は、大人の無理解や矛盾とぶつかり合いながら、
いつしか自分もまたそういう大人のひとりに育っていく
子どもの成長過程のメタファーなんでしょうか。

一つひとつのお話の中に、きょうだい、家族、友人との間にある
不条理な人間関係が繊細に描かれていて、
とても不思議だけれど読後の満足感が得られる短編集です。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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