♪おすすめ Blog

カテゴリ

最新コメント

Link

ブックオフオンライン【PC・携帯共通】

このブログをリンクに追加する

プロフィール

おもしろ本棚

Author:おもしろ本棚
読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

検索フォーム

月別アーカイブ

QRコード

QR

おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『甘いお菓子は食べません』
甘いお菓子は食べません甘いお菓子は食べません
(2014/03/20)
田中 兆子

商品詳細を見る


次々とチカラのある女性作家を輩出する
R-18文学賞ですが、これは第10回大賞受賞の方。

凄すぎる。
のひと言に尽きます。

最強です。
あ、二言目。


それぞれに少しずつ関わりのある40代女性を
主人公にしたオムニバス形式の短編集です。

巻頭は、職場のおばちゃんに酒の席で土下座婚活し、
紹介された相手から、見合い当日に
人生初のプロポーズを受ける「ベシ子」の物語。

それは老親の介護要員と一目でわかる婚姻条件で、
金もない男だけど、ただ気が合いそう、というだけで
「男性から一度でも選ばれた事実」が
人生を今より生きやすいものにするという
希望と幸福を呼び覚ますのです。

いや切ないですね。その昔、友達が結婚を決めたとき
「何が嬉しいって、もう二度と結婚のこと考えなくても
よくなったことよ」と呟いたのをリアルに思い出した。

続く他の短篇は、ある日「もうセックスしたくない」と
淡白な夫からプラトニックな関係を望まれて身悶える妻、
アル中からの脱却と夫の浮気の狭間で苦しむ妻、
家も貯金も頼れる男もなく50を前にリストラに遭う女、

などなど多彩な切り口なんですが、どれも
奇をてらったり背伸びしたりせず、しっかりとした筆力で
読ませるのは、やはり作家が、まだ抗う最中の年頃ではなく
人生経験を積み上げたアラフィフ世代だからかもしれません。

シングルであろうが専業主婦であろうが、オトナの女が
抱える凛とした孤独を、決して誰の同情も寄せ付けず、
地に足が着いたというか、地にのめり込んだというか、な
スタンスで深々とえぐり取った作品ばかりなのですよ。

そしてラストになる大賞受賞作品の『べしみ』。
これはもう、70年代映画「ミスターグッドバーを探して」を
彷彿させる、度肝を抜かれるお話でねえ。

パートナーもいないのに、ある時から猛烈な
性欲に襲われ始めたヒロインの悶々を描き切る。

強姦魔の心情が理解できるとか思っちゃうくらいの
パワフルな欲情を、どうにも自力では満たせなくなり、
彼女は夜の街へと出るのです。

愛ではない。ただセックスしたい。
行きずりの関係が彼女にいっときの悦びを与える。

全編を通じて、彼女らの孤独はどれも
愛だけでは癒やされないもの、むしろ
肉欲によって満たされるものとして描かれております。

しかし絶望はない。解決をみなくとも
堕ちていくのではない。

その生々しさを、ここまでストレートに
潔く描き、すとんと納得させられる。脱帽。
新人とは思えない凄すぎる作家さんです。

次も早く読みたいわー。

スポンサーサイト

テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://marmadays.blog2.fc2.com/tb.php/763-82961876
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)