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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
伊東潤『天地雷動』(角川書店)
天地雷動 (単行本)天地雷動 (単行本)
(2014/04/22)
伊東 潤

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戦国史上に名高い長篠の戦いを、武田勝頼、徳川家康、羽柴(後の豊富)秀吉の視点
で描き切った、とても面白い小説です。

死んでなお絶対的な影響力を持ち続ける父信玄のカゲに怯えつつ、それを乗り越えよ
うとする勝頼。強国の間を漂いながら、それでも生き続けなければならない弱者の悲
哀としたたかさを併せ持つ家康。武芸に秀でることもなく、ただ知恵と運だけで出世
街道をひた走る秀吉。彼ら実在の武将たちの拮抗する思惑と歴史の必然が、それぞれ
を長篠の原野、設楽原に引き寄せ、運命の戦いを繰り広げることになります。

長篠の戦いといえば、誰でも思い浮かべるのが、当時、最強を謳われた武田騎馬軍団
を打ち破った織田信長の鉄砲三段撃ちの奇策。常識にとらわれることなく新しい視点
で中世を生き抜き、近世への扉を押し開いた男、信長。最新式武器の鉄砲を最も有効
に使用し、昔ながらの戦法で戦うことしかできない武田軍を壊滅させた革命児。勝者
の語る歴史は信長の戦略を褒めちぎり、武田軍の陋習を嗤います。しかし、最近の研
究では、こうした世に知られるような鉄砲三段撃ちは後世の虚構、作られた信長伝説
であり、実際の戦いはもう少し違うものだったという説が大勢を占めるようになって
います。

歴史の真実は別にしても、三人の視点で時系列に描かれる戦いに至る過程、そして迫
力満点の合戦シーンは、静と動がうまく噛みあい一気読み必至です。領土拡張や天下
統一という大義名分で戦う三人の戦国武将の間を埋める、「わしはもう嫌だ。何かを
奪うのも、何かを奪われるのも、もうたくさんだ」と叫ぶ伊那の地侍の生き様が、時
代と権力に翻弄される庶民の姿を描いています。合戦も終盤になり、大敗必至の状況
となった武田軍にあって、それまでは事あるごとに亡き信玄と勝頼を比較し、その作
戦や戦法に批判的であった宿老たちが、みずから進んで命を捨てて勝頼と武田家を守
ろうとする姿もまた、感動的です。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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