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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
ネオ山本文緒になった「なぎさ」。
なぎさ (単行本)なぎさ (単行本)
(2013/10/19)
山本 文緒

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著者、15年ぶりの長編です。
恋愛で狂ってしまう人生や、言葉にできずにいたもやっとしたものを
すくい取って文章にさせたら、こんなにうまいヒトっていないよね、
と思っていましたが、
50代になった文緒さんは、違う味わいの作家に変わっていました。

「ほどほどに働きたい」と思いながら踏み出せないもっさり系主婦の冬乃、
ブラック企業で心身ともにすり減らしていく夫の佐々井くん、
お笑いの道をあきらめ就職したものの何もかも中途半端なその後輩川崎くん。

特に優れた才能があるわけじゃないけれど
普通に、当たり前に、そこそこ幸せならいいと思っているのに
そんな平凡な人生が成り立たなくなってしまった「今」という時代の中で
苦しんで悩んで壊れかけていく人々が主人公です。

久里浜に暮らす冬乃のもとに妹の菫が転がり込んで来て、
彼女が漫画家として稼いだお金を資金にカフェを始めようと言い出すことから
物語は始まります。

淀んだ日常に、新しいやりがいがもたらされ、
目標を見失っていた主人公たちが協力してカフェを成功させるお話?
と思うと、どっこい、50代の文緒さまはそんなに甘々な展開は用意してくれません。

お金という権力を振り回す者、家族という絆を逆手に取ってすがりつく者、
人を踏み台にして理不尽な社会をうまく生き抜く者など、
主人公たちを取り巻く社会は決して優しくはありません。

「いったいどうしたら幸せになれるの? 大それた幸せじゃなくていいのに」と
いう平凡な人々の叫びに、絶対の「正解」を求めるのは無理でしょう。
それでも、なぎさに何かきらっと光るものが落ちていたりするみたいに
この物語の所々に「あっ」と思える小さな宝物が埋まっているような気がしました。

ああー、すっきりというカタルシスは全然ないけれど、
それでも生きて行かなくちゃね、とそっと背中を押してくれる小説でした。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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