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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
谷甲州『星を創る者たち』(河出書房新社)
星を創る者たち (NOVAコレクション)星を創る者たち (NOVAコレクション)
(2013/12/06)
谷甲州

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久しぶりに和製ハードSF小説の醍醐味を堪能しました。

人類が太陽系全域に進出している近未来を舞台に、月や惑星で困難な工事を請け負っ
ている技術者たちを主人公にした連作です。70年代に僕が読みふけった光瀬龍の〈宇
宙年代記シリーズ〉にも似た設定ですが、谷甲州が描く技術者たちは、何と言うので
しょうか、もっとサラリーマン的な技術者で、例えば昭和時代に黒四ダムや青函トン
ネルの工事に従事した人々のような感じなのです。


連作7編は、月、火星、水星、木星、金星、土星と、一週間の曜日順に進み、それぞ
れの工事現場で起こる事故やトラブルに巻き込まれ、それに立ち向かう技術者の姿を
描いていきます。こう書くと、自己犠牲とか、超人的な活躍とか、ヒーローになった
主人公を想像するかもしれませんが、開発企業に雇われているサラリーマンである彼
らは、「たまたまそこに居合わせた」だけであって、決してそのことを恨むでもな
く、「仕事」として目の前の困難と向き合っていきます。どの話も、事故やトラブル
がどうなったのか、というその後の結果は描かれていません。無事に終息できたの
か、壊滅的な破壊に至ったのか、彼らはどうなったのか……最終話となる太陽(=
日)を舞台にした物語で、いささか唐突な形で連作は完結します。

先に昭和時代のサラリーマン的な技術者、と書きましたが、工事を監督する官庁、請
け負った土木会社、現場(極冠の土星や、灼熱の水星など)の下請け、孫請け業者な
ど、これでもSF?と思うくらいに今の日本の縮図みたいになっています。想定外の
事故にホッカムリを決め込む役人、優柔不断な管理職。その中にあって、「いいです
か、前例を作るのは我々であり、責任を負うのも我々なのです。技術者という職種
は、そのために存在するといってもいい」と啖呵を切る叩き上げ管理職がやけに格好
良く見えるのはなぜなんでしょうね。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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