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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『ホテルローヤル』
ホテルローヤルホテルローヤル
(2013/01/04)
桜木 紫乃

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図書館で500人以上の待ちでやっと届き、
まだこの後に500人以上の予約が入ってる超人気作です。

直木賞だからといって、そこまでの人気は
なかなかないだろうけど、
 
 
「実家が小説と同名のラブホテルだった」という話題性も
その背景にはあるのでしょうか。

北海道の片田舎にある「ホテルローヤル」は、車で乗り入れて
駐車場から各部屋に入るタイプの、地方によくあるラブホテル。
円形の大きなベッドとガラスで仕切られた浴場と。

客として、従業員として、経営者として、いろんな形で
ここに関わる数組のカップルが登場する短編集ですが、
冒頭、すでにホテルは営業をやめ、建屋は荒れるがままの廃墟となっています。

流行りの霊スポットのような空間を求めて、そこにやってくる現代のカップルから
物語は始まり、時空は過去へと舞い戻っていきます。
ホテルが潰れた経緯、そこそこ繁盛していた時代、さらに
「ローヤル」と名付けられた誕生時に背負った未来の夢。

こう書けばおわかりいただけるように、倦怠と貧しさが沈殿した人生を、
ただやるせなく送る人びとの、大変もの哀しいお話です。
何が哀しいかといって、不遇な日々を送り続けるあまり、
彼らがもはや自己憐憫の感情さえ持ち合わせていないこと。

誰も運命に抗わない。不幸を嘆いたり、世の不条理と闘おうとしない。
自分に与えられたものを、あるがままに受け入れて
幸せでも不幸せでもない人生を淡々と積み重ねていく。

場末のラブホテルは、十数年にわたって、そんな彼らの生きる舞台であったのです。

・・・

読み初めは感情移入がなかなかできなかったのですが、読み進むにつれ
短編集としての構成がきちんと計算された、完成度の高い小説だということが
とてもよくわかりました。オトナ向けです。上手い方です。

ラブホテルという舞台設定が効いていて、すぐにも映像化できそうですが、
もともと作者の実家だったというラブホテルは、果たしてどのような性格だったのか。

ホテルを営むご両親が、この小説を読んだとき、
こんなふうに人間をとらえる目を持って成長した娘を見て
さぞ切なかろう、という思いがじんわりと沁みてきたのでした。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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