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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
力作を力読したぞ「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」。
暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで
(2001/07/31)
サイモン シン

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2011年に読んだ「フェルマーの最終定理」を書いた
サイエンスライターのサイモン・シンの次の作品です。
ハードカバー489ページの力作。

途中で順列組み合わせの復習をしたり、
エニグマ機の円盤を紙に書いてみたりしていたので時間がかかりましたが、
がんばってほぼ1ヶ月かかって読み終えました。
副題にある通り、
紀元前のロゼッタストーンに記された古代エジプト文字の読み解きから
本書の書かれた1999年の最新暗号である量子暗号まで、
暗号製作者と解読者の果てしない追いかけっこが
ど素人読者の私にも大変わかりやすく描かれています。

わかりやすいのは、難しい数学や物理学、言語学上の発見や推理を
あるときは例え話を使うことで、
またあるときは大胆な単純化、図式化で、
「細かいことはわからないけど、本質的なことはだいたいわかった」という
気持ちにさせる巧にさによるものと思われます。

ミステリーファンにはお馴染みのドイツの暗号機「エニグマ」の
発明とその解読に取り組んだ連合国側の水面下の戦い。
果てしない苦労の末に解読成功しても、その手柄は秘密にされたまま、
解読者たちの業績は世に知られることはありませんでしたが、
ここには解読者たちの人間的なドラマもちゃんと描かれています。

20世紀終盤、世の中に出現したコンピュータ通信は、
政府や軍部のための暗号から、
一般庶民にとってはプライバシーを守るためのもの、
産業界にとっては安全な商取引の必需品とその性格を大きく変化させます。

その暗号は超がたくさんつくスーパーコンピュータが
兆の単位の時間をかけなくては解読できないほど堅牢なものです。

それでも、解読者たちは次の世代のコンピュータ、
量子コンピュータの出現によってその優位性は崩れるという仮説のもと、
1999年段階でいくつかの暗号解読ソフトウエアをすでに
完成させていたそうです。

それから早14年。
昨年、アメリカNSA職員が全世界で月に1000億件近くの
インターネットや電話の傍受をしていたことを
明らかにする事件が伝えられました。
暗号化とそれを盗もうとする激しいつばぜり合いが
依然として火花を散らしていることを垣間見せる出来事でした。

日本でも「秘密保護法」が公布されるなど、
その裏に何が!?的な、きな臭い感じもしてきた今、
15年後の「続・暗号解読」がぜひぜひ読みたい!

過去100年分の技術の進化が10年もかからずに達成されてしまう現代、
あくなくテクノロジー追求とその裏側の人間臭いドラマを、
サイモン・シンのようにわかりやすく興味深く伝えてくれる才能は貴重です。

量子物理学という最後に出てきた学問にふれて、
「すべての学問は哲学に行き着くのかも」と思いました。
言語学も物理学も、ソクラテスやプラトンのギリシャ哲学に
根っこを持っているんだわ、なんて
学問全般を見渡したような気にさせてくれる
労作ノンフィクションでした。
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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