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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『てらさふ』
てらさふてらさふ
(2014/02/13)
朝倉 かすみ

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朝倉かすみさんを読むのはこれが初めてかも。

新刊ですが、何ともタイムリーなゴーストライターのお話。
以下、かなりネタバレてますのでご注意ください。 
 
 
登場人物は小樽の外れの街、オタモイに住む弥子(やこ)とニコ。
中学から高校の青春期をともに過ごす二人の少女の関係は、
 ・ニコ = S村河内氏
 ・弥子 = N垣氏
と捉えれば、即おわかりいただけるでしょうか。

ただし本作の場合は、N垣氏が首謀者かつS村河内氏のプロデューサー。
もっとややこしいのは、N垣氏がそもそも他者の作品をパクってるってこと。

・・・あー大筋の説明が一気に片付いてしまった。
もちろん、この小説は実在の人物をモデルに書かれたものではありませんが。

大衆食堂を営む両親のもとに生まれた弥子は、
自分の無限の可能性を信じる、ぽっちゃり型の内向的な女の子。
人の心を読むことに長けた彼女は、周りの人間がなぜ自分の価値を
見いだせないのか、内心では不思議に思っています。
他の人とは全然違う光り輝くものがあるのに、親さえそれに気づかない。
結果的に、心を開いて対等に付き合える友達はほとんどいません。

一方のニコは父の名も知らず、シンママの母にも祖母にも見捨てられて
ひいおばあちゃんの家に引き取られた、アカ抜けた容姿の女の子。
ニコは平凡な日常から衝動的に飛び出したくなるという、
代々受け継ぐ危険な「血」に苛まれている。

ある日二人は思いつきます。一人では無理なことも、この二人でタッグを組めば
何かやれるんじゃないか、それも極力若いうちに。
具体的に行動に出た弥子は、ニコの名で書いた読書感想文の全国入賞を手始めに、
史上最年少の芥川賞受賞を目指して、自分の生活を投げ打って執筆に励みます。

弥子はニコとの関係を、卵の「白身」と「黄身」になぞらえる。
「白身」のニコは、弥子に指図されるまま、容姿磨きを怠らず
勉学にも励んで志望校にも合格し、陽のあたる表舞台を歩き始める。

やがて、とあるきっかけで手に入れた古い資料をベースにした応募作品が仕上がると、
弥子の目論見はまんまと成功してニコは時の人となり、二人は富を手に入れます。

という起伏のハッキリしたストーリーなので、ぐいぐい読み進んでしまいます。
彼女らが青春期における少女らしい妬みや嫉みを持て余し、
複雑な心情を通わせながらも、互いを唯一の拠りどころにして突き進むのを
心の奥を深くえぐり取るように描く筆致はたいへん鋭いです。

しかしもちろん、疾しい関係は小説においても破綻するのが前提なワケで。
そこをどう綻ばせて、二人の少女をどう進ませるかってところが
こういう小説の勝負どころだと思うんですが。。

結果からいうと、
う~ん。ずいぶん陳腐な終わり方になっちゃったなあ、というか

ニコと弥子、白身と黄身、光と影、陽と陰、
そういう単純な対比で二人を分極化させるような展開は
ちょっと残念で物足りなかったなあ。ラストの匂わせ方もね。

青春の恋も純情も、要素はいろいろ盛り込まれてるだけに
この後味の悪さは、スッキリしないものがありましたね。

でも、とっても面白い作品ではあります。
特に新人賞目指して小説を書くためのスキル本としても
役立てられる方も多いのではないでしょうか。
  
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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