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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
辻村深月『島はぼくらと』(講談社)
島はぼくらと島はぼくらと
(2013/06/05)
辻村 深月、五十嵐 大介 他

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瀬戸内海に浮かぶ離島、冴島。フェリーに乗って20分ほどの時間で本土とつながっているこの島に、幼なじみの4人の高校生が住んでいました。祖母・母親と女ばかりの一家で育った、素直で明るい池上朱里(あかり)。網元のお嬢さんで、美人で気が強い榧野衣花(かやのきぬか)。演劇に夢中の矢野新(あらた)。幼いころに東京から移住してきた青柳源樹(げんき)。島には中学校までしかありませんので、4人は毎日同じフェリーに乗って本土の高校に通い、同じフェリーに乗って島に帰ってきます。

物語は、4人の高校2年生の7月から、翌年の7月まで、1年間を描いています。


ご多分にもれず、冴島にも少子高齢化の波が押し寄せています。その対策にと、村長は広く都会からの移住者、俗に言うIターン組を受け入れ、島には移住者と昔からの住人が、お互いに若干の違和感を感じながらも同居しています。特にマスコミから「シングルマザーが住みやすい島」と報じられたことから、さまざまな理由でシングルマザーとなった女性と、彼女の子どもたちが多く暮らしています。

この物語のほんとうの意味での主人公は、こうした移住者や在来の島民たち、あるいは両者の間を取り持つNPOの人たちだと思います。朱里たち4人の悩みや喜び、成長もたしかに物語の全体を貫いていますが、4人には島に暮らす人々のエピソードをつなぐ狂言回しの役も与えられているのです。

元オリンピック出場水泳選手のシングルマザー、蕗子。医者としての自信を喪失して過去を隠して暮らしている本木、島の振興に腕を振るう地域活性デザイナー、ヨシノ。そして、Iターン政策の中心に立つ、大矢村長。行方不明になった旧友の行方を心配する朱里の祖母や、名前は与えられていないものの田舎に暮らす人間のいい面と悪い面を併せ持つ昔からの島民たち。小さな島で起こる喜怒哀楽のドラマが、4人を成長させていきます。

おっ、と思わせるのは衣花の存在。当初は朱里を中心に進んでいた物語は、終盤近くなって衣花の葛藤を中心に描かれるようになっていきます。網元の娘のため、島を出ることが出来ない彼女は、高校卒業後に大学進学や社会人となって島をあとにする3人の友人に対して複雑な感情を持っています。もちろん、それは、衣花をおいて島を出なければならない3人にも言えることです。そんな衣花が、「私はここで、生きていく」と誓うラストは感動モノです。

人に「行ってらっしゃい」と言い、「行ってきます」と言われて暮らすだけが、島の生活だと思い込んでいた衣花が、実はそれだけではなく、こういう言葉も自分には言うことができるのだと気づく、9年後の現在を描くエピローグ。

その言葉とは、――「おかえりなさい」。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント

読みやすくて面白かったです。
趣味として本を読み始めた人、これから読もうとしている方々に
ぴったりの小説だと思います。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
[2015/01/23 15:56] URL | 藍色 #- [ 編集 ]


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「島はぼくらと」辻村深月

母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。故郷を巣立つ前に知った大切なこと―すべてが詰...
[2015/01/23 15:37] 粋な提案