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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
ミスター・ユニオン『ハーフマニア』(社会評論社)
ハーフマニア―日本の有名人の混血をカリカチュアで大紹介!ハーフマニア―日本の有名人の混血をカリカチュアで大紹介!
(2013/12)
ミスターユニオシ、ドローイングスタジオマネジメント 他

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こんな本が書店の棚に並んでいるなんて、とびっくりするトンデモ本を手にする機会
を得ました。「日本の有名人の混血をカリカチュアで大紹介」(本書のキャッチコ
ピー)した、一種キワモノ的な内容の本です。大体にして著者のミスター・ユニオン
という名前からして胡散臭い。奥付の著者紹介を読んでみると、マスコミ業界を流れ
歩いたあげく、その多彩な趣味から「オタク」「雑学王」と人に呼ばれるようになっ
たそうです。一言で言って、まあ、アヤシイおっさんでしょう。それ以上にヤバイの
ではと思わせるのが本書の扱っている内容。芸能人やアスリートなどだれでも知って
いるような有名人のルーツを探り、ハーフであることをバラしているのですから。ま
あ、芸能人にはプライバシーは無いと言われていますし、実際、彼らは交際・結婚・
離婚・出産・家族問題などあらゆるプライバシーを売り物にしていますから、出自を
売り物にするくらい何でもないのでしょう。おそらくはそうしたコンセプトで活動を
しているであろう有名人ひとりひとりを、異形とすら思えるような極端にデフォルメ
したイラストで描き、両親の出自を明記しています。

ところで、僕たちの世代では、まだ「ハーフ」という言葉は割と新しい言い方で、子
供の頃は平気で「混血」とか「アイノコ」という、今では使うことの許されない呼び
方で呼んでいましたよね。マンガには、よく皮膚に斜め線のスクリーントーンを貼ら
れた「混血児」が登場し、その出自ゆえにいじめられたり、あるいは優れた身体能力
を発揮したりしていました。テレビや映画にもひと目でそうとわかる俳優さんが、主
人公を助ける役や不良役などで出ていました。

さて、ここまで書いて、あらためて思ったのですが、僕にとっての「混血」「アイノ
コ」とは、基本的に白人か黒人との間にできた子どもだったのですね。戦後の混乱期
に、日本を占領していたアメリカ軍――つまり、白人兵や黒人兵の「オンリーさん」
たちが産んだ子どもたちの存在が、本で読んだり人から話を聞いたりした結果、僕の
記憶に刷り込まれていたのでしょう。彼ら、彼女らの明らかに日本人とは異なる肌の
色、容貌は、嫌悪と憧れとを与えてくれていました。ところが、長じるにつれてわ
かってきたは、日本には今まで書いてきたような「欧米系」だけではない、「アジア
系」の「混血児」がものすごい数、存在しているという事実でした。

本書に登場する芸能人たちの中でも、上記「欧米系」ハーフは、ほとんどがその血筋
を売り物にしているように見受けられます。商品価値、と言ってもいいでしょう。安
室奈美恵、宮沢りえ、沢尻エリカ、香椎由宇、森泉、土屋アンナら、日本人名を名
乗っている女優、歌手、モデルはもちろん、ベッキー、ローラなどのように外国人名
のタレントまで、お茶の間でお馴染みの人たちばかりです。男性でも、岡田真澄、東
山紀之、安岡力也らの役者、室伏広治、ダルビッシュ有、伊良部秀輝らアスリートが
います。「欧米系」ハーフは、何と言っても格好良いのです。バタ臭い顔立ち、スラ
リとしたスタイル、圧倒的身体能力など、「日本人離れ」した存在感こそが彼ら、彼
女らの魅力に他ならないでしょう。

ヤバイと思うのは、後者のハーフでしょう。一応は世間に向けてカミングアウトして
いるとはいえ、女性では和田アキ子や井川遥、松坂慶子ら、男性では孫正義、布袋寅
泰、玉山鉄二、故松田優作という朝鮮半島出身者をルーツに持つ有名人まで載せてい
ます。でも、芸能界だけではなく、僕らの周りにも、同様の出自を隠して生活してい
る人はたくさんいるでしょう。そうやって生きることがいいのか悪いのかは別の話で
すが、少なくともイメージを大事にする芸能人にとって、明らかにすることのリスク
を恐れている人がいるのは当然ではないでしょうか。

どんな本にも出版意義はあります。表現の自由も保障されています。この本が、政治
家の誰かさんが言ったような「単一民族」国家などではない、日本の現状を世に知ら
しめ、「ハーフ」全体に対する偏見や差別を無くす役目を果たしてくれれば、それは
それでいいことなのでしょうが、僕には人の秘密を覗き見たいという下劣な欲望を満
足させるだけにしか思えてなりません。まあ、よい子の皆さんは、読まないほうがい
いのではないでしょうか。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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