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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『アズミ・ハルコは行方不明』
アズミ・ハルコは行方不明アズミ・ハルコは行方不明
(2014/01/22)
山内マリコ

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『ここは退屈迎えに来て』(リンク) でぐぐっと来た
山内マリコさんの、ワタクシ的には超期待!の新作です。

あえて「ワタクシ的」とことわったのは、
 

前作を読書会の課題本として推した際、過半数の会員の方に
どこがいいのかわからないとバッサリ切られたからで、
絶賛派と180度違う受け止め方に、ただただ驚いたからです。
まあ、そういう本のほうが課題本としては面白いんだけどね。

で、今作ですが、ううむ、やはり並々ならぬ感性を持った作家として
ワタクシとしてはとても満足したのですが、それと同時に
彼女の作品をダメだという人の気持ちも、客観的に理解できる気がしました。

今回の舞台もまた、日本のどこにでもある、活気を失った地方都市。
周辺人口を顧みずロードサイドに立ち並ぶ大型店は淘汰を繰り返し
コピペしたようなチェーン店のロゴが横並びになって広い空に浮かぶ。
最近では、県内最後の新星堂の店舗が撤退してしまった。

キャバクラ上がりで「すぐヤラせてくれる」と男に見下される愛菜と
中学時代の不登校を脱却して専門学校までは出たものの、その先がない学。
名古屋の大学が性に合わず、居場所をなくして戻ってきた、地元のイケメン、ユキオ。

中学時代の同級生が、昔は仲良くもなかった3人が、半端な二十代で怠惰につながる。
周りの人間もそう。バイト先の先輩も皆、どこかで誰かとつながっていて、
安定した仕事も結婚も手に入れることのないまま、ゆらゆらとトシをとる。
「若さ」に甘えられるタイムリミットが、目の前に来ていることを感じながら。

そんな日々に、ちょっとした刺激が生まれる。
軽犯罪、にも値しないようなスリル感のある遊び。
花火のような刹那の興奮。

彼らは、誰ともほとんど二語文でしか会話しない。
友情に甘えるほど無邪気ではない。愛が欲しいとは口にできない。
それなりに傷ついて、保身と諦めもいつしか身についた。
LINEで流れるスタンプ。ネットで流れる言い回し。
いま街にある店、歌、映画、そのときだけに通じる固有名詞。

・・・この小説が5年後、10年後に残ることはないだろうと思います。
あえてそうしているのだろう文体の軽さ、なしくずしの人間関係。
山内さんがダメという人は、きっとそんなところもダメなんだろう。

けれど、やはりこれは「今」の先端部分を摘み取った小説であり、
その奥にあるものを鋭い感性で描けるのが、この人のチカラなんだと思う。
読書会の例会で、「少女マンガを面白く読めるか読めないか」に近いという
意見があったのですが、この小説でその言葉がすとんと落ちた。

紡木たくさんが『ホットロード』で描いたような、
いまそのときの世代、そのときの感情、すなわち青春の希望と倦怠が
渦巻くような日々の中で、あがいて生きている。
アズミ・ハルコもまたそのひとり。

終章については、もちょっと捻りを入れてキメてほしかったなとも思うのですが、
やはり私のココロには、びんびん来る作家なのでありました。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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