♪おすすめ Blog

カテゴリ

最新コメント

Link

ブックオフオンライン【PC・携帯共通】

このブログをリンクに追加する

プロフィール

おもしろ本棚

Author:おもしろ本棚
読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

検索フォーム

月別アーカイブ

QRコード

QR

おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『ゾウと旅した戦争の冬』
ゾウと旅した戦争の冬ゾウと旅した戦争の冬
(2013/12)
マイケル モーパーゴ

商品詳細を見る


「戦火の馬」を代表作とする児童文学作家のモーパーゴさん。
これもヤングアダルト向きに書かれたものですが、
悲惨な戦争を潜り抜けた善良な人びとの
ささやかな希望と愛情に満ちた、とても感動的な物語で
帰宅途中の電車の中で、ひとり胸をじんとさせておりました。
 

舞台は現代、とある老人介護施設です。
看護師の「わたし」は、9歳になる息子カールを持つシングルマザー。
面倒を見てくれる人がいないとき、カールは友達を連れて母の仕事場についてくる。
窓の向こうで元気に遊びまわる子どもたちを見ることは、
刺激の少ない毎日を送るお年寄りたちの楽しみにもなっています。

入所者のひとり、リジーは少しボケ始めた気難しいおばあさんだけど
「わたし」とは相性がよく、いつの間にか息子のカールとも仲良くなっている。
リジーはカールを枕元に呼び寄せて、昔話を始めるのです。
「私の育った家の庭には象がいた」と。

リジーのボケ話と本気にしなかった「わたし」は、息子カールに説得されて
ある日一緒にリジーの話に耳を傾けます。
ある日、とは2月13日。
それは彼女の生まれ故郷ドレスデンが、第2次大戦下で
壊滅的な空爆を受けた日でした。

母と小さな弟と共に、燃え盛る街から逃れて親戚の農場に向かった16歳のリジー。
3人には、旅の友として小さな象がいました。

出征した父に代わり、動物園で職を見つけた母がマレーネと名付けた子象は、
母を亡くしたばかりで手厚い保護が必要でした。
戦火の中で、動物園で飼育された動物はほとんどが殺されてしまったものの
マレーネはリジーの家にいて生き延び、共に過酷な冬の旅に出たのです。

厳冬の森を、山を抜けてただただ歩く。
誰か敵か味方か。リジーたちは過酷な日々の中で
さまざまな人びとの善と悪に触れながら、皆の心を癒す
マレーネの存在に助けられます。

長い戦が、多くの出会いと別れを生む。
けれど希望を捨てずに生きることで、リジーは彼女の幸福を得、
人生の終わりを前に、懐かしくそれを振り返るのです。

戦争の疲弊と困難の中に生まれる希望と夢。
決して愛を忘れない人びと。

戦争を題材にした物語を多く手がける作家は
それを絶望に置き換えず、ひとの心の強さを描きます。
静かな人生の喜びを讃える美しい物語は、
いろんな問いかけを読者に与えてくれます。
 
大人のあなたにもおススメ。
 
スポンサーサイト

テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://marmadays.blog2.fc2.com/tb.php/704-1b04cd79
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)