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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『ハピネス』
ハピネスハピネス
(2013/02/07)
桐野 夏生

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仕事場の近くに名門私立幼稚園がある。
登園時には、品の良い若いお母様方がそれぞれに
我が子の手を取って、守衛さんに「ご機嫌よう」と
会釈しながら狭い門をくぐり抜ける姿に出会う。

それを見るたび、大変なんだろうなあと思うのです。


母もさながら制服のごとく、夏も冬も紺のスーツかワンピに
同色のパンプスとバッグを合わせ、満員電車で毎朝幼子を
送り届け、くつろぐ間もなくお迎えの時間がやってくる。

もちろんそれは、親子ともども努力して
難関をくぐり抜けたからこそ手に入れた
憧れの通園風景なのでしょう。

しかし母親の出自はまちまちであろうし、
自身が同じ家庭環境で育ったのならともかく。

経済力のある夫、一等地の不動産、良くできる
可愛い子ども、仲良き一家、どこにも欠落や不調和が
生じないよう、緊張感を抱えているのだろうなぁとか。
まぁ余計なお世話っちゃ、所詮は庶民の僻みだけど。

で、この小説は幼稚園児ではないのですが
2、3歳の娘を持つ母親ら5人の物語です。

彼女らの世界は都心の高級タワマン。
高給取りの夫を持ち、外車やブランド品を
さりげなく使いこなし、容姿の手入れに怠りなく
入園を控えた娘の教育にも熱心、というベクトルに
人生の指針を合わせる方々です。

しかしもちろん、その関係にはカーストがある。
タワマンは分譲か賃貸かの経済力、美貌とセンス、
あるいは子どもの出来。無言の圧力とバランス。

主人公の有沙は賃貸組で肩身が狭いし
容姿もハイソなママ友には負けている。
彼女たちにはどこか見下されてると自覚しつつも、
仲間に入れてもらってることには執着する。

でも問題はそれだけじゃない。
そもそもママ友には、自分の出自を偽ってるし
海外単身赴任中の夫からは離婚を求められている。
夫の実家からも最後通牒を突き付けられた。

どん詰まりの有沙ですが、5人組の中で
自分と同等クラス?の洋子に誘われて
次第に結託を強め、無敵に思えたボスママの弱みを
知ることになり、ママ友グループは崩壊してゆくのです。

イヤな話ですねえ。
さすが桐野さん。登場人物全員、イヤな女です。
容赦なく人としての醜さを描きます。

勝ち組専業主婦たちはハイスペック夫という
強力アイテムに依存しているけれど、夫に
見放されたらゲームオーバー。

浅はかな女の見栄と思慮のなさ、
底意地の悪さがこれでもかこれでもかと
見せつけられて、下世話な興味から一気に
読めてしまうのですけれども、
やはりこれをハピネスと名付けるセンスが凄まじい。。

この本を一年の締めくくりにしたくはないなあ。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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