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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『沈むフランシス』
沈むフランシス沈むフランシス
(2013/09/30)
松家 仁之

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『火山のふもとで』が好評な松家仁之(まさしと読むのね)さん。
新作のこの本が、私は初めての出会いなのですが、

久々に大変甘く、
大変純度の高い恋愛小説でした。




舞台は北海道東部にある、人口800人あまりの「安地内村」。
過疎化が進む、架空の小さなコミュニティですが、その昔、
本土からの移住者が原生林を切り開いて住み着いたという
土地の歴史は、乃南アサさんの『地の果て』を彷彿させます。

しかし本作では、その厳しい自然とそれゆえの閉鎖性が
混じり気ない恋愛物語を成立させる最適環境として
はたらいています。

ヒロインは、都会での暮らしに疲れ果て、仕事も男も捨て、
中学生時代のいっときを過ごした北海道の街に移り住んだ
35歳の独身女性、桂子。何かに追われるわけでもなく
思いつきのような身軽さが、短絡的でもありますが。

過疎の村に都会から一人でやってきた妙齢の美女。
非正規の郵便配達員として雇われ、家々に郵便物を届ける
彼女は、密やかな人びとの視線を集めます。

管轄エリアの外れにある小さな小屋に一人住む
同世代の和彦から誘いを受けるのも早かった。

山間の、さらに辺境な一角にあるその家は
驚くほど洗練されたインテリア空間を持ち、
何を生業とするのか定かでない和彦もまた、
料理にも音楽にも造詣深く、しなやかな肢体を誇る、
早い話が超スノビッシュなオサレ男でありました。

桂子は別にひと目惚れしたわけではないけど
拒むべき男でもなかったので、和彦の度重なる誘いに乗り、
その美しいベッドルームであっさりと寝てしまいます。

若くもないワケあり男女が、互いの素性を知ることなく
ただ本能に導かれるままに愛を交わす。

もちろん小さな村ですから、そんな二人の動向は
瞬く間に広まることとなってしまうのです。

刹那の恋愛は、二人の間で少しずつ形を変えてゆく。
「今」にしか目を向けない男。
男の「過去」が気になりはじめた女。

二人の関係に「未来」という時制が生まれた女に
「過去」を捨てるよう無言の強要を感じとる男。

自由でありたい男は無責任なのか。
束縛されたい女は身勝手なのか。
普遍的な男女の恋愛パターンですねぇ。

この唯一のテーマが全編ブレることなく、
北の暮らしの色彩豊かな四季の変化とともに
深まり、物語の終わりに近づいていきます。

こうなると結局、この二人はうまくいくのか
破綻するのかってだけの話になっちゃうんだけど、
それは最後までのお楽しみなので語りません。

そうそう「フランシス」とは何ぞやって話も
ネタバレになるので言いませんが、
恋物語をより印象的なものに演出する
特殊な状況設定であるとは思います。

で、和彦は長谷川博己くんでキマリ。
桂子は誰だろうなぁ。
さらりとした清楚な風貌でありながら
セクシーさのある30代半ばの女優。うーん。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント
あの結末は…。
「火山のふもとで」で魅せられてしまった松家さん。
待たされて、待たされて、やっと読めました。

美しい場所、ハイセンスな暮らし、押し付けがましくない登場人物、
しみてくる文章、相変わらずいつまでも浸っていたい松家ワールドでした。

あのラスト、これからの二人を暗示してるんだよね…?
[2014/01/27 22:14] URL | Jefy #a7oJ0Vfo [ 編集 ]


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