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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
赤城毅『八月の残光』(祥伝社)
八月の残光八月の残光
(2013/07/25)
赤城毅

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ミッション・インポッシブルというのでしょうか、実現不可能かと思われる作戦を命
じられた主人公が、一癖も二癖もあるスタッフを集め、さまざまな障害を乗り越えな
がら成功に導いていくというストーリーは、古今東西、小説や映画の題材として好ん
で用いられ、多くの名作を生んでいます。映画で言えば、僕の生涯のベスト「黒部の
太陽」などは、その代表的作品でしょう。たしかにこうしたプロジェクトX的な企業
モノもいいでしょうが、やはりこのテーマが最も似合うのは、戦争モノであると思っ
ています。

というわけで、今回の『八月の残光』です。
 

時代背景は、太平洋戦争末期の日本。近いうちに国境を越えて満洲に攻めこんでくる
であろうソ連軍に対処するべく、海軍が密かに練った作戦「閃作戦」。それは、シベ
リア鉄道を経由してはるばる満洲にまで運ばれる軍需物資の流れを絶ち、ソ連軍の侵
攻を可能な限り遅らせるため、アムール川に架かる大鉄橋を爆破、破壊するというも
の。使用機は、最新鋭の複座式攻撃機「流星」。この新鋭機3機に浅深度魚雷「九一
式魚雷改ニ」を積んで、鉄橋橋脚を破壊するというとんでもない作戦。5・15事件で
死にそびれた負い目を持つ作戦立案者のもとには、いくども死線を越えてきた歴戦の
勇士、未熟な技術の少年飛行兵などが集まってきます。

一方、満洲に展開する関東軍内部でも、対ソ戦を想定した作戦が練られていました。
前線を思い切り後退させ、つまりは民間を切り捨てて、絶対防衛ラインの死守を優先
しようと考える首脳部に対し、閃作戦と同じようにシベリア鉄道による輸送を混乱さ
せようとする作戦「緋7号」が裁可されたのです。闇夜に乗じて気球にのって国境を
越え、鉄橋近くに降下。アムール川地下に掘られたトンネルの爆破を目指す、これま
たとんでもない作戦。

当時の日本軍での海軍と陸軍の仲の悪さは有名ですから、海陸共同作戦など夢のまた
夢。お互いが同じ攻撃目標に向かって特殊作戦を実行していることなど、誰も知りま
せん。はたして両者は協力することができるのでしょうか。そして、両作戦は成功す
るのでしょうか。

この種の小説は、次々に襲い掛かってくる困難をいかに乗り越え、登場人物たちの英
雄的かつ悲劇的な犠牲のもと、作戦が遂行されていくのか(作戦の成否は別もので
す)――が、読みどころだと思います。ハラハラ感とドキドキ感。それがすべてと
言っても過言ではないでしょう。そういう視点から本書を眺めてみると、残念ながら
100点満点にはまだ手が届かない出来かも知れません。話の展開にはご都合主義が散
見しますし、空戦シーンは迫力不足。いかにも、の登場人物像にはもっと工夫が必要
でしょう。テーマ自体は面白いものなので、作者のなおいっそうの精進を切望する次
第です。

(終わり)
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テーマ:小説 - ジャンル:小説・文学

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