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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『いつも彼らはどこかに』
いつも彼らはどこかにいつも彼らはどこかに
(2013/05/31)
小川 洋子

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とてもとても静かな、
大人の孤独を描いた 8つの短編集です。
 
じんわりきます。
 

 
・スーパーの試食販売員と常連客の『帯同馬』
・女流小説家と、今は亡き異国の翻訳家の『ビーバーの小枝』
・オリンピックの開催日まで日めくりカレンダーをめくる男の『ハモニカ兎』
・個人美術館の受付係と年老いた常連客の『目隠しされた小鷺』
・ドールハウスを作る引きこもり少女とその家族の『愛犬ベネディクト』
・動物園の売店係の『チーター準備中』
・断食道場で療養中の女と風車の男『断食蝸牛』
・幼くして亡くなった弟を旅先で偲ぶ『竜の子幼稚園』

表紙絵にも、いずれのタイトルにも動物が関わるこの作品は
必ずしも、主人公が直接生身の動物と接するわけではありません。

心にいくつもの古傷をこしらえながら、今ある暮らしの平穏を
ささやかに守り続けながら、ひとり生き続けるひとびと。

幸せに満ち足りてはいなくとも愚痴はこぼさず、
再び開くことのないよう、傷口をいたわりながら日々を過ごしてゆく。

孤独なひとに寄り添うひともまた孤独だ。
彼らは互いの秘密を暴いたりしない。互いの傷を見ない。
時には嘘もある。けれど、それでいいじゃない。
波風立たぬ毎日を、ひとときの触れ合いが、より優しいものにするのなら。

・・・

『あのひとは蜘蛛を潰せない』を読んで、共感できなかったものが
何だったのか、この本を読んで気づかされました。
私のことを全てわかって。 あなたのことは何でも知りたいの。
そういう「かまってちゃん」的関係は、もはや求めない。

暴露し合うだけが理解することではない。

動物は、そんな孤独に包まれた主人公たちの背後にいます。
言葉も持たず、感情を露わにすることもない。
けれど気づけば、いつもそっとどこかにいて、
ひとの気持ちを映す鏡のような顔つきで、超然と佇んでいる。

いや~大人はこうでなくっちゃね。

ちなみに、一番私が好きだったのは、『ビーバーの小枝』
亡き翻訳家の家を異国の地に訪ね、その息子夫婦から
気取らず温かなもてなしを受ける小説家のお話です。

彼からの不思議な贈り物と、彼の机に遺されたもの。
会えなかった人との交わりは、永遠に続いているのです。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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