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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
終わりと始まりの間の物語「青い野を歩く」
青い野を歩く

毎日も暑いけど、「龍馬伝」もワールドカップも熱いなあ。
そんな中、私は今年の前半戦ベスト本に巡り会いました。
淡々系で、ちっとも熱くない短編集なんだけどね。

暗~くたれ込めた雲。今にも降り出して、何日も雨が降り続くような土地。
古い因習にがんじがらめで、身動きのとれない人生。
重苦しい空気が肌にねっとり絡み付いてくるようなアイルランドが舞台です。


それでもある者は故郷や家族を捨てて旅立つ決心をし、
別の者は雌ヤギと暮らす独身生活から女との生活へ踏み出し、
また別の者は欺瞞に満ちた結婚生活を近所の人々に語ることで
そこから決別しようとします。

それぞれの物語が、それぞれの「今まで」に終止符を打ち、
不安とある種のあきらめを胸にしつつも、
新しい「始まり」に向うところまでが描かれます。

淡々と、ある種のユーモアを漂わせ、しんしんと胸にしみてくるくせに、
ある1行で物語は突然違った顔を見せ始めます

例えば表題作では、田舎のささやかな結婚式で、
出席した人々の下世話な会話が飛び交う中、
式をとり仕切った神父のちょっとうんざりした様子が描かれます。

披露宴の後半、無理矢理ダンスフロアに押し出された花嫁の
ネックレスの糸が切れ、真珠が磨かれた床に散らばるというアクシデントが。
1粒を拾い、花嫁の手にそれをのせると彼女の目には涙が浮かんでいて、
「もし、まばたきをしたら、神父は彼女の手を取って、ここから連れ去っただろう」
と続き、あ、神父と花嫁は恋人同士だったんだと初めて明かされます。
退屈な結婚式が、急にまったく別の意味を持って来るのです。


腰巻きの言葉は小池昌代さん。美しい言葉を紡ぐ名人からの賛辞を読み、
「読みたい!」と手に取りました。

訳者の岩本正恵さんは、去年のマイベスト3にランクインした
「最終目的地」(P・キャメロン)の翻訳もした人です。

そして、アイルランドと言えば「輝くマイベスト2004」の
「アンジェラの灰」(フランク・マコート)を思い出すし!

これでもかこれでもかの豪華3点盛り合わせでしたが、
期待を裏切らない、思いっきりぜいたくな1冊、堪能しました。


青い野を歩く (エクス・リブリス)青い野を歩く (エクス・リブリス)
(2009/12)
クレア キーガン

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ついでに、

アンジェラの灰  新潮クレスト・ブックスアンジェラの灰 新潮クレスト・ブックス
(1998/07)
フランク マコート

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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