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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『ラス・マンチャス通信 』
ラス・マンチャス通信 (角川文庫)ラス・マンチャス通信 (角川文庫)
(2008/08/25)
平山 瑞穂

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2004年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
鈴木浩司さんが「選考委員になっていちばん面白かった!」と絶賛する
平山さんのデビュー作です。
 
 
ファンタジーというよりも、ホラーの香り漂う物語の不気味さは
家の中にいる「アレ」、という異形の存在から始まります。

両親と姉と暮らす主人公の「僕」は、成長するとともに
一家が絶えず何かを恐れ、委縮しながら暮らし続けていることに気づきます。

「小嶋さん」なる存在に脅されつつも依存する父、
すべての不条理を仕方のないことと受け止め、見て見ぬふりをする母と姉。
その中で、正義感の強い「僕」は我慢の限界を超えるとキレキャラとなり、
悪を制裁する。それがかえって「僕」を、周囲と相入れない存在にしてしまう。

「僕」とその一家は居を転々とし、そのうち家族は離散していきます。
それでもなお厄介者の「僕」は父の、ひいてはその背後にいる人物からの
支配を受け続け、己の運命を流れに任せるしかない。

しかし、ある日ついに支配者と対峙する日がやってくる。

・・・

実に不思議な小説なのです。
普通の街での暮らしのあちこちに異形の者たちがいて
超現実の世界が当たり前のように描かれる。

彼らが成す行為から、そのおどろおどろしさが匂い立つのだけれど、
外見がどう違うのか、彼らは何者なのか、詳細が描かれることはない。
しかし「僕」は彼らを忌み嫌いながらも当たり前に共存して暮らしている。

「ラ・マンチャ」とは「染み」のこと。
汚染された血が流れる家系。自分もまた、この世の「染み」のひとつ。

いったいこれはどこの世界なのか。見た目も性格もいたって普通に見える
「僕」は、なぜ周囲に受け入れられないのか。何者なのか。
ただその好奇心に引っ張られて、ページをめくる手がとまらないのです。
が、謎はすべて解けるかというと・・・

うーむ。平山さんはこういう小説を書いて出てきた人だったのか。
もちろんこれは「ファンタジー」をねらったものだから、なんだろうけれど
まったく毛色の違う最近の作品から読み始めたので、いったいこの方の
描きたいものは何なんだろうかと、ますます混乱してしまうのです。

ただ言えるのは、ものすごく才能のある方で、引き出しがいっぱいあって
そのどれもから、中身があふれ出さんばかりなのではないかと。
ところが、その組み合わせを持て余してしまっているというのか、
単純には片づけられなくて、「スッキリ」感が得られない。もどかしい。

これまで読んだ中では『僕の心の中の空洞』がいちばん直球だったなあ。
しかししかし、この先、すべての才能が完璧に余すことなく生かされた
最上級の作品が出てくるのでは、という期待は高まるばかり。

注目し続けたい方ではあります。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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