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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『愛に乱暴』
愛に乱暴愛に乱暴
(2013/05/22)
吉田 修一

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『愛の乱暴』を『愛に乱暴』に改題しての単行本化だそう。
あまりにもジャンルが多彩すぎて一体どこへ向かうのかわからない気もする吉田修一さんの新作は、

旦那にセックスしている女がいるのと、体の関係はないけれども
考えただけでせつなくなるほど会いたいと思っている女がいた場合、どっちが悔しいか


そんなセリフが1ページめから登場する
   妻 vs 愛人
   嫁 vs 姑

の、まさに嫉妬と狂気の愛憎劇なのです。

いやー凄すぎる。
 
 
桃子は結婚して8年目を迎える主婦。
夫・真守との間に子どもはいない。

二人は、真守の実家の敷地内にある離れに住んでいる。
母屋は年老いた真守の両親、桃子にとっては義父母の家だ。
桃子は、姑とは打ち解けないまでも従順な嫁として穏やかな関係を築き、
韓流スターにもほどほどハマりながら、平凡で幸せな日々を過ごしている。

それなのに真守さんたらば。コイツが妻の知らぬ間に、
若い女に手を出して身籠らせてしまうのですよ。

妻の手から男を奪おうとする愛人と、愛人から夫を取り戻そうとする正妻。
それぞれの生々しい感情が一触即発の緊張感をもって交互に描かれます。

とはいえ子どもができたとあっちゃ、破たんは目前。
折も折、脳梗塞で倒れた義父を世話し、気弱になった義母を支え、
嫁として一家の一大事に立ち向かう桃子の前に
切羽詰まった真守が、とんだ災難を持ち帰ってくる。

それからが、お決まりの修羅場。

・・・・

しかし、さすがに吉田修一さんの手腕。
どこにでもある昼メロもどきの下世話なハナシではなかったのです、これ。

何を言ってもネタバレになるので触れることはできませんが、
あれあれあれ、いやいやいや、うっそーん。それって?

という結末に、ずんずんとなだれ込んでいくのですよ。
んー確かに狂乱の愛。スパイラルな憎しみ。もはやホラーかサスペンス。
うずうずしちゃうけど、読み終えた人どうしでしか語れません。
夏の夜の一気読みにぜひおススメです。


・・・余談ながら、若い愛人に子どもができたと真守に告げられた姑の照子が
「呆れた」
と口にするのを耳にして、桃子は他人事のように軽すぎると憤るのだけれど、

今となっては私は照子の気持ちも理解できるトシになっていて、
四十を過ぎたバカ息子に何を言ってもしょうがないよなあ、
もう自分で何とかして、ってか老いた親をアテにしないで、って
気持ちになるのは大いにうなずける気もするのです。

ただ妻も愛人も、嫁も姑も、うまく間をとりもつどころか、
逃げるしか能のない、典型的な優柔不断男に描かれる真守がリアル。
 
結局のところ、男女の間に正論は通じないわけだし。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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