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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『しろいろの街の、その骨の体温の』
しろいろの街の、その骨の体温のしろいろの街の、その骨の体温の
(2012/09/20)
村田 沙耶香

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村田沙耶香さんの小説を読むのは初めてです。
これは4度目のノミネートにしてついに
「三島由紀夫賞」を受賞した作品。

あっちゅー間に読んでしまいましたが、
うーーん。
この複雑な読後感を、なんと表現すればよいのだろう。
 
 
おそらくはバブル景気の時代に
どんどこ宅地開発が進んだのであろう
大規模ニュータウンで育った少女、結佳が主人公です。
小学校4年生、そして中学2年生の結佳の姿が
赤裸々に書き表された小説なのですが。

思春期とは、性に目覚め、自分の美醜を
病的なまでに意識するお年頃、ではあります。確かに。

結佳ちゃんは、上半身がガリガリなのに下半身が肉付きの良い
隠れデブ。顔の造作も貧相で、女子としての値札は超安いと
自己卑下のどん底にある、半端なく根っこが暗い少女です。

人より多少大人びて観察眼鋭い彼女は、小学生の頃には
女子力の高い若葉ちゃん、自分より格下の信子ちゃんと
一見仲良くつるんでいたのですが、

中学に入ると若葉ちゃんは最上位グループに、
信子ちゃんは最下位グループに、そして自身は
一番目立たぬ中の下くらいのグループに収まります。

これは「桐島、部活やめるってよ」にもあった不文律のスクールカースト。
あちらが男子なら、こちらは女子に主眼を当てたお話なのですが、

暗い。
もう果てしなく暗い。

結佳の怨念にも似たコンプレックスと、高すぎるプライドの混沌が、
恐ろしいほどに歪んだ自己意識をつくり上げ、
バブルがはじけて開発途中に終わったままの街の中で
家と学校を行き交うだけの日々を、あまりにも絶望的なものにしています。

上位は上位で、下位は下位で、それぞれにコンプレックスを抱えながら
足元不確かに生きている、そんな同級生たちの姿を結佳は冷徹な目で見ています。

そしてまた、客観的には「並み」レベルの結佳は自己を否定するあまり、
他者からの攻撃的な評価を受ける恐怖心を乗り越えるために、
逆手ともいえる、自分を貶める行為に走ってゆくのです。

したがって好きな男子にも、とんでもないアプローチしかできない。
どう「とんでもない」かってぇのが、このお話のミソなんですが。

いやはやしかし、ぶったまげながら読み切ったものの、
根本的には、悩み多き思春期における自己確立の過程と
「白馬の王子」需要にこたえる物語ではあるのです。

ただそれが、こういう形で赤裸々以上に書かれてるところが・・ま才能なのでしょう。
成長過程にある人間の、「子どもの残酷さ」と「大人のカラダ」の
アンバランスを極端にデフォルメして際立たせた青春小説、と言ってよいと思います。

『スタッキング可能』と、読んでないけど話題の『工場』を
蹴落としての受賞、それだけのパワフルさは感じます。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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