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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『夏の嘘』
夏の嘘 (新潮クレスト・ブックス)夏の嘘 (新潮クレスト・ブックス)
(2013/02/28)
ベルンハルト シュリンク

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『朗読者』のベルンハルト・シュリンクが描く
七つの短編が集められた作品集です。

いやあ、いい。とってもいい。
どれもぐっとくる、オトナの嘘は。
 

『夏の嘘』というタイトルは原文そのままの訳っぽいけど、
同じタイトルの小説はありません。
つまり七篇すべてを言い表したものってことでしょうか。
主人公はいずれも中高年から老年ばかりの男女です。

・富豪の女性との儚い夢のごときリゾート地の恋。
・疑り深い恋人に嫌気がさすあまりの、行きずりの女との浮気。
・脚光を浴びる妻を閉じ込めようと妄執にとらわれる夫。
・同じ飛行機に乗り合わせた、ペテン師まがいの男。
・余命いくばくもない事実を秘し、妻を欺く夫。
・気の合わぬ父との旅に自ら出る息子。
・人生の最後に振り返る、惨めに破れた初恋。

と、それぞれ一行でまとめてしまったけれど、
家族、そして恋人、いちばん身近な人びとの間には
それゆえの、互いに包み隠した嘘がある。

十代、二十代の嘘とは違う。すぐばれる嘘を吐くのではない。
人生の長い日々にあまりにも多くの経験を積んで、
「何も語らないでいること」の平穏に身を任せているうちに
それは秘密となり、嘘となって胸の奥に溜まってゆく。

愛すべき人には、愛する気持ちと愛せない気持ちが混在する。
だから、手にできなかったもの、昔失ったものが欲しくなる。
そういう感情の機微が、どの短編も実に細やかに描かれていて、
出てくる人びとは誰も皆、頑なでありながら迷いが多い。

年をとることは何かを達成するものではなく、ただ
肉体の衰えと、愚かな心を持て余すだけのものなのかと
寂しさが漂うのですが、しかしエネルギッシュでなくても
心の炎の種火は消えることなく燃え続けている。

生きるほどに人は孤独になるけれど、だからこそ
常に貪欲に生き続けられるんだなあと。

ホントに最近、こういう小説がぐぐっとくるんです。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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