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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『冷血』
冷血(上)冷血(上)
(2012/11/29)
高村 薫

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『太陽を曳く馬』から3年あまり。
お久しぶりです、合田さん。

ちょっとすっかりシリーズ内容を忘れてしまってたけど、
前作があまりにも読みにくかったのに比べると、
今回はずいぶんと読みやすい話だった、と思う。
 

 
警察小説といえば、最近読んだ『64』と
どうしても比べ読みしてしまうところがあるんですが、
好みの問題だろうけど、私は『冷血』に軍配を上げたいなあ。

今回の事件は、かの世田谷一家殺人事件を彷彿させる凶悪犯罪なのですが、
犯人が誰かという謎解き要素は全くありません。
最初から被害者一家と加害者である若者2人の心理が
とことん対比的に描き出され、合田雄一郎が出てくるのは上巻半ばから。

犯人らは、何の罪もない幸せな一家を無計画に襲い、
ためらいなく殺して盗みを働き、あちこちの防犯カメラに
自らの映像を残して、あっという間に逮捕されてしまいます。

つまり物語は、なぜこんなにも短絡的に残忍な犯行に及んだのか
犯人自身も説明できないその動機について、憂える合田が
上下巻2段組みのボリュームで解こうとするものなのです。

この設定にリアリズムを感じてしまったのは、ちょっと前に
吉祥寺の少年2人の通り魔強殺事件があったからでしょうか。

持ち歩くお金などたかが知れている若い女性を、
自分の面が割れてる土地で迷いなく刺し殺し、
暗闇にも目立つ白い服で、防犯カメラに姿を残す。

なぜそんなに短絡的で野蛮な犯罪を起こしてしまうのか、
他者にも自分にもまるで関心がないような行動背景が
妙にこの小説と結びついたのかもしれません。

二人の犯人の成育過程を追い、ありとあらゆる角度から、
これでもかこれでもかと粘着的といえるほどの掘り下げをする、
それこそ高村さんの個性であり、魅力なんでしょう。

そんなわけで、私には興味深く読める1冊でしたが、
凶悪犯罪なのに終始「静」の印象が残るこの本より、
『64』の方がスリリングで面白いという人も多いでしょう。

ま、ちょっと長すぎるっちゃ長すぎるんだけどね。
もっと後半、スッキリまとめちゃってもいいんじゃないの、的な。

ここまで長さがあるなら、今回出番の少なかった義兄と
合田の進展??を、どこかに織り交ぜてほしかったかな~w
と、要求キビシイ読者なのでありました。
 

冷血(下)冷血(下)
(2012/11/29)
高村 薫

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