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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『海の見える街』
海の見える街海の見える街
(2012/12/06)
畑野 智美

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『夏のバスプール』を読んで「胸きゅん」して以来、
2度目の出会いの畑野智美さん。

朝井リョウくんと同じく「小説すばる新人賞」から出た方ですが、
朝井リョウくんと同じく、一種独特の魅力ある作風ですね。
 

 
児童館と図書館のある公共複合施設で働く
20代後半から30代前半の独身男女4人の物語がオムニバスで描かれます。

オムニバスって最近すごく多いですねー。

正直いうと、長編を書くよりも、短編ごとにまとめて
1冊の分量にするのって書きやすいし、読みやすいし、
わりと安易にとられがちな手法になってる気もします。
ま、凝った意図があってのオムニバスもあるけれど。

同じ職場で児童館職員と司書、正職員または派遣、という
立場の違いはあれど、それぞれの人生においてプライベートで
負ってきた傷はあれど、いま現在を見据える彼らは皆、人生に前向きです。

この嫌味のなさ、爽やかさは、高校生の男女を描いた「夏バス」とも
共通するもので、特に司書の本田くんは、前作の主人公がそのまま
30歳になったようなキャラクター設定となっています。
センの細い草食系で、穏やかな性格。10年後の神木くんに演じてほしいような。

こういうあたりも、どうしても朝井リョウくんが描く世界と被ってしまうんですが。
その狭い世界の限られた人間関係の中で、彼らは恋をし、挫折し、
また新たな夢を見ます。

ここんとこ、老後の人生本にいたく共鳴しているワタクシには、もちろん
とっても眩しくて、目など開けていられなくてよ、
な世界なんです。甘ずっぱい、恥ずかしい、リアル感のないお話。

それでも彼女の筆致には、するすると惹かれるものがある。
高校生の「胸きゅん」よりは、いくぶん汚れて傷もついて
それなにりにオトナになった彼らの、本音だけでは動けなくなった
生き方の中に、まだやっぱり奥底できらり光る純情に心を掴まれる。

素直な、いい小説だと思います。
今後の作品が楽しみな、「小説すばる」はこういう人を
求めているのね、と実感できる成長ぶりです。

・・・・

で、また余談ですが。
作中の図書館は、ほとんどが直接雇用の市の正職員で、
司書資格を持つ方ばかり。

いまや多くの図書館が指定管理制度で派遣会社に業務を委託し、
低賃金の無資格パートタイマーが働いている現状とは
ずいぶん違う恵まれた労働環境です。

ある意味長閑で現実離れした雰囲気を漂わせているのは
そこにも理由がありそうですね。
 
海の見える、いい図書館です。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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