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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
今年のベスト3入り宣言「ある男」。
ある男ある男
(2012/09/27)
木内 昇

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「茗荷谷の猫」以来、なんとなく読み続けてきた木内昇さん。
直木賞とったのに、地味めなせいかあまり話題になっていないような…。

でも、「ある男」すごくよかったです。

「オール讀物」に掲載された7つの短編を集めた本ですが、
すべて、明治初期の政治と社会の混乱期に、
あちこちの地方で歴史に翻弄されながら名前を残すことなく
人生を終えていった男たちの物語。

恋愛のれの字もないのに、出てきた男たちに胸きゅんだったし、
ドトールで読みながら、思わず涙がぽろりでした、わたくし。

男たちは、そのタイトルのように「ある男」でしかなく
どの短編の中でも名前がありません。
文字通り「無名」な市井の一人の男が主人公です。

ある男は
何かをやろうとして、できずに終わります。
別のある男は
どうしたらよいのかわからないまま、何もできずにただ時を過ごします。
また別のある男は
何かをしなくてはいけないことさえ気づかぬまま、人生を送ります。
さらに別のある男は
何かをなせるような気がしていますが、結果は得られないようです。

7人が7人とも「何もできない」「何もしない」男たちです。
それがすごく切なく胸に迫ってきます。

木内さんの文章と構成の巧みさはもちろんですが、
99%以上の人間は歴史的に見れば何もなせないまま
その人生を終えるんだよなあという諦観の切なさでしょうか。

とはいえ、木内さんは「何もなせない」ことを責めません。
何もなせない人生を愛おしんで慈しんでいます。
たぶん、若いときに読んでもわからなかったであろう
ほんのりと温かいものが胸の中に灯ったように感じつつ
本を閉じました。

表紙の香月泰男「神農」の渋渋なところもぴったりで、
いきなりすてきな本に出会えた2013年は
いい年になりそうな予感に満ち満ちています。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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