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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『片腕』
眠れる美女 (新潮文庫)眠れる美女 (新潮文庫)
(1967/11)
川端 康成

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小池昌代さんの『裁縫師』に収録されてた『左腕』という短編がきっかけで
川端作品の『片腕』を知りました。

いつでも読めると思っていると読めないもので、
お正月用にあれこれ借りた中に、標題の
短編集を取り混ぜて、やっと読むことができました。
 
 
室生犀星を読書会の課題本として読んだとき、
女性をとても美しくエロティックに描く作家として
K講師は、川端の名を筆頭に挙げられました。

私は著名な作品以外、体系立ててその作品を読んだことはないんですが、
田久保英夫さんが著した随筆(公式サイト)にも
この短編は取り上げられていて、心惹かれるものがあったのです。


「片腕を一晩お貸ししてもいわ」
ある夜、「私」はその言葉を受けて、娘が自ら外した右腕を
胸に抱いて家に帰ります。
そんなシュールな設定で、娘の腕と戯れ、まどろむ一夜の物語。

娘は生娘です。その証拠に、すれた女にはない肩の美しい丸みがある。
処女を求む男の性向を知っていて、娘はその丸みごと、腕をもぎ取ったのです。

娘の腕は本体の心を宿し、「私」に語りかけ、肌に触れます。
さらに「私」の腕と、ひと晩付け替えても良いのだと言う。

娘の腕は、エロティシズムの象徴です。
しかし肉欲に溢れるような交わりを、男とは、しない。
なぜなら、それは「片腕」にすぎないから。
そこに作家が設定する男の歪んだ妄想=エロティシズムがある。

男の描く女性像は、どこまでも観念的です。
「片腕」は日ごろ、自分の乳房をまさぐるのだという。
けれど、男は乳房が娘以外の誰にも触れられていないと知っています。

汚れなき処女が放つ性の香りが、男を惑わせる。
腕は男の体に心に取り憑いて、全てを奪いそうになる。
そしてついに男は・・・

処女と娼婦という相反する顔を、女に求めて止まない男の物語であります。

・・・

犀星を読んだときにも感じたのですが、
この妄想っぷりは、肉の交わりを伴わないだけに
崇高なものとして文学的価値を高めているように思わせるのですが、

しかし実際のところ、彼らは生身の女性をどう捉えていたのだろう。
女のひと、というのは現実的で打算的な生きものです。
知れば知るほど、観念上の美しい存在とは隔たりが生じるんじゃないかと。

それゆえに満たされない思いを持って、理想の女を追い続けるのだろうか。
あるいは、どんな女であっても、その奥底にある美を認めることができるから
多くの女性を愛する男になっていけるのだろうか。

女から見た理想の男は、必ずしもセクシャルであることは優先されない。
そこまで観念的に男を捉えていないし、むしろ社会的な立ち位置とか、
富であるとか、もちろんそういう表面的なものだけに囚われなくても、
最も重要なのは女を守れる強い精神性、でしょうか。

こういう耽美的な作品を読むと、質の高さはさておき、
やはり性差というものは大きいよなあ、と妙にしみじみしてしまうのでした。

ところで、
処女だけが持つ「腕の付け根の丸み」って、なんざんしょ??
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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