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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
奇貨
奇貨奇貨
(2012/08/31)
松浦 理英子

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前作「犬身」から5年ぶりの新作、松浦理英子「奇貨」、よかったです。
35歳のレズビアンの女性・七島と、10歳年上の男性作家・本田、
こちらは異性愛者なのだけれど、女性とうまく関係を築けない、同性の友人もいない。
まあ女性との関係に限らず、人との関係がうまくできない、ということですね。


この二人の同居生活を描いた表題作と、85年の作という「変態月」収録。
書評等では「奇貨」は好評なものの、
「変態月」に関しては、「奇貨」だけでは単行本1冊にならないから、
古い作品を引っ張り出してきて無理やり1冊にした、
なんて言い方をしている人までいましたが、私はこの「変態月」がよか
った。

同性の友人に発情することを自覚しつつある女子高生が主人公。
「奇貨」の七島の20年前の姿?
と思えば、こんな古い作品を持って来て1冊にしたのもわかる。

例えば以前書いた朝井リョウの「少女は卒業しない」は
普通に異性の先輩や先生を好きになる女の子たちの話で、
そういう経験なら自分の記憶の中にもあり、わかるわかる、
と胸キュンしちゃったのかな、と思いますが、
同性に対して発情するというのは、なかった。
と思う。

にもかかわらず、同性の友人へのこの気持ち、
二人の間の緊張感、自分が経験したことのように感じてしまう。
主人公の身近で、中学時代同じクラスだった女子が、
後輩の女子中学生を殺すという陰惨な事件が起きるのだけれど、
そしてそれが主人公に自分の性癖について考えさせることになるのだけれど、
全体の雰囲気は決して暗くない。

登場人物たちの話す方言が、これは作者の出身の松山弁か、
九州っぽい感じもして、の~んびりした地方の高校生活の空気を感じさせて
、なかなかいいなあ。と思っていると、最後は一転して、
光にあふれた高校生の日常の世界から夜の闇の中へ、
という感じの含みを持たせたラストシーン。
余韻があって、ちょっとぞくっとする。

松浦理英子は「親指Pの修業時代」と「犬身」しか読んでいないけれど(ミーハーですね)、
両方ともおもしろかったし、ほかの作品も読んでみようかなあ、という気になりました。
あ、「奇貨」もよかったですよ。
七島と本田の会話、七島と女友達との会話、説得力があって。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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