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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
キネマ旬報編集部編 『東宝青春映画のきらめき』
東宝青春映画のきらめき東宝青春映画のきらめき
(2012/10/17)
キネマ旬報社

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1960年代後半、日本中に吹き荒れた変革の嵐は、それまで安穏としていた映画界にも及ぶようになりました。
5社協定にあぐらをかき、昔ながらの作品を作り続けていた会社側に「ノン」をたたきつける、若い監督が続々と現われてきたのです。そして、その潮流は、もっとも保守的であるように思われた東宝映画にも及んだのでした。


それまでの東宝の青春映画といえば、加山雄三主演の「若大将シリーズ」に代表されるような、
いいとこのお坊ちゃんとお嬢さんの恋を、「清く」「明るく」「美しく」描いた文部省選定的な作風が特長でした。
そこには主人公をめぐるささやかなトラブルはあるものの、最終的には誤解が解け、
また、親や職場の、彼らを取り巻く善人たちに後押しされ、すべてが丸くおさまる、
というハッピーエンドがお約束でした。
社会の暗い部分の描写や、政治的な告発などはもちろんいっさいありませんでした。

本書が取り上げている1966年から73年までの間に製作された52本の映画は、
そうしたかつての東宝的作品を否定するところから始まる、変革の時代の映画なのです。

ここで、恩地日出夫・出目昌伸・森谷司郎の3人の監督が登場します。
内藤洋子・酒井和歌子の2人の女優が登場します。変革の時代は、既成概念にとらわれていない
若い映画監督を現場に呼びよせ、監督はそれまでとは違う魅力を持った女優をスクリーン上に
登場させたのです。

そう、すべてのはじまりは、恩地日出夫監督・内藤洋子主演の「あこがれ」(66)でした。
以後、73年の「二十歳の原点」(大森健次郎監督・角ゆり子主演)まで、時代の波に乗るように、
映画史に残る青春映画が作られていきました。スクリーンにはじけた女優は、
初期の内藤・酒井のツートップの後は、吉沢京子・鳥居恵子・本田みちこ・島田陽子・栗田ひろみ・角ゆり子ら
次世代の女優さんが活躍しています。男優には、初期の黒沢年男(現年雄)・岡田裕介(現東映社長)・
三船史郎(三船敏郎子息)らがいます。

ちなみに、52本の作品リストを確認し、ぼくがその中で観たことのある作品は13本でした。
そのうち、封切り時にリアルタイムで観たものは5作品で、残りは後に名画座などの特集で観たものでした。
作品名を列記しますと、「年ごろ」(68)、「俺たちの荒野」(69)、「初めての旅」(71)、
「潮騒」(71)※、「忍ぶ川」(72)※、「白鳥の歌なんか聞こえない」(72)※、「初めての愛」(72)、
「卒業旅行」(73)※、「赤い鳥逃げた?」(73)、「放課後」(73)※、
「戦争を知らない子供たち」(73)、「忍ぶ糸」(73)、「二十歳の原点」(73)、となります
(※マークをつけたものがリアルタイムで鑑賞した作品)。

その後、東宝映画は「日本沈没」の成功を契機に、大作映画路線へと舵を切り、
青春映画の製作は激減していきます。森谷監督のように大作映画ですぐれた作品を残した監督もいれば、
テレビに活動の場を求めた監督もいます。そう考えれば、本書に載っている作品は、時代と時代の間の、
ほんのわずかな隙間で一瞬の輝きをみせた、映画の青春期の「きらめき」に他ならないのでしょう。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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