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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『歓喜の仔』
歓喜の仔 上巻歓喜の仔 上巻
(2012/11/22)
天童 荒太

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覚悟して読み始めたけど、いやぁツライ。
『永遠の仔』に増してツライ。トラウマになりそう。

この世のあらゆる不幸の集中砲火を浴びせられたような
17歳の吉丘誠、小6の正二、幼稚園児の香、の三人きょうだいが主人公、です。
 
 
三人の両親、信道と愛子は、ともに家庭愛に恵まれずに育った者として
深いシンパシーを感じ、純粋な愛をもって一つの家族になろうとしました。

その望み通り、つましくも温かな愛に満ちあふれた家庭を築いていたのに
人のいい信道は巨額の借金の保証人となり、身ぐるみ剥がれ、
一家は暴力団組織の配下に置かれてしまいます。

あれ、こう書くと安易だなあ。
しかし、その後の展開がハンパない。

父・信道は妻子を置いて失踪し、母・愛子は恐怖心に負けて
窓から身を投げ(1階だけど)、打ちどころ悪く
意思表示もできない寝たきり状態となってしまうのです。

兄の誠は、カタギの仕事をしながら悪事にも手を染め、
精一杯に一家の生活を支えていく。
正二は母の介護を一手に引き受け、下の世話をする。

あーツラ。
しかし、まだまだ展開はハンパない。

父の失踪と母の事故を機に、歌が得意な誠は
メロディを聞き取れなくなり、絵が得意な正二は色彩感覚を失う。
そして香は、フツーの人に見えないものが見え、
あらゆるものに「くささ」を感じる。

あれ?
どこかの某朝ドラで見かけたような設定?
そーいや「愛子」「誠」って名前もなあ。
もちろん、こっちの小説の方が先行ですが。てことは?

で、ここからが、やっと物語の始まりなのです。
ハードですねえ。

三人はそれぞれに、未来の希望など、かけらもない幼い人生を
歯を食いしばって生きていく。

誠は、異国の戦地で闘う少年「リート」という想像上の人物を創り上げ、
ともに闘う同士として、実生活を彼に投影させる。

逃避ではなく、現実と空想の同期。
自分の周囲の人間関係を、そっくりリートにも築き上げ、
現実と空想の厳しい両世界を生きていく。

正二は同じアパートに住む不法滞在の美しい金髪少年に
恋心を抱き、彼を支えながらも深く依存してゆく。

そして香は死者との交流を繰り返しながら、彼女なりに
幼い人生を生き抜いている。

そんな地獄の日々から解き放たれる日がくるのか。
しかしその前に、三人はさらに過酷な事実(まだまだあるの)と
向き合わなければならなくなるのです。

長い物語の結末に希望の光が見えるかといわれれば、
そうともいえるし、そうでないともいえる。
タイトルがそれを意味するのなら、あまりにも作者は残酷かも。

深く深く描かれた小説ですが、
やっぱツラかったわ。
 
底抜けに明るいものを次に読んで
スパっと切り替えようと思います。
 
歓喜の仔 下巻歓喜の仔 下巻
(2012/11/22)
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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